ゼロトラストを実現するBeyondCorp

ゼロトラストを実現するBeyondCorp

デジタル化を知りたい

先生、「BeyondCorp」ってよく聞くんですけど、どういうものか教えてください。

デジタル化研究家

簡単に言うと、社内ネットワークと社外ネットワークの区別をなくして、どこからでも安全に会社のシステムにアクセスできるようにする仕組みだよ。家のパソコンからでも、カフェのWi-Fiからでも、安全にアクセスできるようになるイメージだね。

デジタル化を知りたい

なるほど。でも、どこからでもアクセスできるようにすると、危険性が増すような気もしますが…

デジタル化研究家

確かに従来の考えだとそう思うよね。でもBeyondCorpは「ゼロトラスト」って考えに基づいていて、アクセスする人や機器を常に確認することで安全性を保っているんだ。だから、場所に関わらず安全にアクセスできるんだよ。

BeyondCorpとは。

グーグルクラウドが提供する『ゼロトラスト』という考えに基づいた安全対策サービス、『ビヨンドコープ』という、会社のデジタル化に関係する言葉について。

はじめに

はじめに

近ごろ、会社のネットワークの境目がぼやけてきています。社員はオフィスだけでなく、家や喫茶店など、いろいろな場所から会社のシステムを使うようになりました。このため、従来の、会社ネットワークの内側だけを守れば良いという考え方では、安全を保てなくなっています。外からの侵入を防ぐだけでは、もう十分とは言えないのです。

そこで、注目されているのが「ゼロトラスト」という考え方です。ゼロトラストとは、すべてのアクセスを疑って、常にチェックするという安全対策の方法です。そして、このゼロトラストを実現するサービスの一つとして、グーグルクラウドが提供する「ビヨンドコープ」があります。

ビヨンドコープは、会社のシステムを使う際に、社員のいる場所や使っている機器の種類に関わらず、必ず本人確認と利用許可を求めます。これにより、会社のネットワークの内外に関係なく、同じ安全基準を適用できるようになります。たとえば、カフェで無線LANを使っていても、オフィスにいるときと同じように安全に会社のシステムを使えるのです。

従来の方法では、会社のネットワークの外部からアクセスする場合、仮想私有網(VPN)などを利用して接続するのが一般的でした。しかし、VPN接続では一度接続が確立されると、その後の通信は暗号化されるものの、アクセス元の信頼性については検証されません。つまり、VPN接続自体が攻撃経路となるリスクがあります。ビヨンドコープは、このリスクを解消し、より安全なアクセスを実現します。

ビヨンドコープを導入することで、場所を選ばずに安全に仕事ができるようになり、社員の働き方もより柔軟になります。また、セキュリティの強化にもつながり、情報漏洩などのリスクを低減できます。これから、ビヨンドコープの概要とメリット、導入方法について詳しく説明していきます。

項目 説明
従来のセキュリティ対策の課題 会社のネットワークの境界が曖昧になり、従来の内部を守るだけの対策では不十分。
ゼロトラスト すべてのアクセスを疑って、常にチェックするセキュリティ対策の方法。
ビヨンドコープ ゼロトラストを実現するGoogle Cloudのサービス。場所や機器に関わらず、本人確認と利用許可を求める。
ビヨンドコープのメリット
  • 場所を問わず安全に仕事ができる
  • 柔軟な働き方の実現
  • セキュリティ強化、情報漏洩リスクの低減
  • VPN接続のリスク解消
VPNの課題 一度接続されるとアクセス元の信頼性検証がされないため、攻撃経路となるリスクがある。

境界型セキュリティの課題

境界型セキュリティの課題

従来の境界型安全対策は、お城の外壁のように組織のネットワーク境界を守ることに主眼を置いていました。これは、組織内は安全で、外部からの侵入を防げば良いという考え方です。しかし、近年の働き方の変化により、このやり方は効果を失いつつあります。クラウドサービスの利用が広がり、多くの従業員が会社以外の場所から仕事をするようになったことで、ネットワークの境界があいまいになってきたからです。

以前は、会社にあるパソコンからしか会社のシステムにアクセスできませんでした。しかし、今はカフェや自宅など、さまざまな場所からアクセスするのが当たり前になっています。このような状況では、どこまでが組織の内側で、どこからが外側なのか、はっきりとした境界線を引くのが難しくなります。

従業員が会社以外の場所からシステムにアクセスする際は、仮想専用回線などの技術がよく使われます。これは、安全な専用のトンネルを通して、まるで会社の中にいるかのようにシステムに接続できる技術です。しかし、一度このトンネルを通ってしまえば、組織内では自由にアクセスできてしまうため、もしも悪意のある人に侵入された場合、被害が一気に広がる危険性があります。まるで、お城の門を突破されたら、城内はやりたい放題になってしまうようなものです。

さらに、管理されていない機器からのアクセス増加も大きな問題です。従業員が私物の携帯電話やタブレット端末から会社のシステムにアクセスする場合、会社の安全基準を満たしていない可能性があります。例えば、最新の安全対策がされていない、あるいはウイルス対策ソフトが入っていないといった場合です。このような機器からアクセスされると、組織全体の安全性が脅かされることになります。これは、お城の壁に小さな穴が開いていて、そこから侵入されてしまうようなものです。

これらの問題を解決するために、「ゼロトラスト」という新しい安全対策の考え方が登場しました。ゼロトラストでは、すべてのアクセスを信頼せず、常に確認を行うことで、より安全なシステムを実現することを目指します。

従来の境界型安全対策の問題点 具体的な状況 例え
ネットワーク境界のあいまい化 クラウドサービスの利用拡大、リモートワークの普及により、どこが組織の内外かわかりにくい。
仮想専用回線内の自由なアクセス 安全なトンネルを通過後の内部ネットワークでのアクセス制限が不十分。侵入された場合、被害拡大のリスクが高い。 城門を突破されたら城内はやりたい放題
管理されていない機器からのアクセス増加 私物端末など、安全基準を満たさない機器からのアクセスにより、組織全体の安全性が低下。 城壁の小さな穴から侵入される
解決策 ゼロトラスト

ゼロトラストの概念

ゼロトラストの概念

『決して信用せず、常に確かめる』これがゼロトラストの考え方です。従来の城壁のような、外と内を明確に区切り、内側に入れば安全とする考え方とは大きく異なります。ゼロトラストは、社内ネットワークにいても社外にいても、すべての接続に対し、疑ってかかるのです。まるで、誰も信用せず、入室のたびに鍵の確認と持ち物検査を求めるような厳重な管理体制と言えるでしょう。

具体的には、まずアクセスを試みる人や機器が本当に許可されたものなのかを厳しく確認します。そして、アクセスしたい情報や機能への許可が与えられているのかも、毎回チェックします。たとえ、既に社内ネットワークに接続している社員であっても、アクセスする度に身分証明とアクセス許可の確認を求められるようなイメージです。

この仕組みには、いくつか利点があります。まず、もし誰かが不正にネットワークに侵入できたとしても、その後の情報へのアクセスを制限できます。侵入を防ぐだけでなく、侵入された場合の被害を抑えることができるのです。また、働く場所を選ばない柔軟な働き方が広がる現代において、社内ネットワークと社外ネットワークの境界が曖昧になり、従来のセキュリティ対策では限界がありました。ゼロトラストは、場所に関係なくセキュリティーを確保できるため、新しい働き方に適しています。

ゼロトラストは、情報へのアクセスを細かく管理するため、情報漏えい対策としても有効です。アクセス記録を詳細に残すことができるので、何か問題が起きた際の原因究明にも役立ちます。従来のように、境界を守るだけでは防ぎきれなかった脅威に対応できる、現代の複雑な情報技術環境に不可欠な考え方と言えるでしょう。

概念 説明 利点
ゼロトラスト 内外を区別せず、すべての接続を疑ってかかるセキュリティモデル。アクセスを試みる人や機器、アクセス対象の情報や機能への許可を毎回確認する。
  • 不正侵入後の情報アクセス制限による被害抑制
  • 場所を選ばない働き方への対応
  • 情報漏洩対策
  • 原因究明の容易化
従来型 外と内を明確に区切り、内側を安全とみなすセキュリティモデル(城壁モデル)。

BeyondCorpによるゼロトラストの実現

BeyondCorpによるゼロトラストの実現

従来のセキュリティ対策は、城壁のように社内ネットワークを外部から守ることに重点を置いていました。しかし、クラウドサービスの普及やテレワークの増加に伴い、この方法は限界を迎えています。もはや、ネットワークの内部にいるから安全、外部にいるから危険とは言い切れない時代になったのです。そこで登場するのが、場所を問わず信頼しない「ゼロトラスト」という考え方です。その代表例が、グーグル社が開発した「ビヨンドコープ」です。

ビヨンドコープは、ユーザーがどこからアクセスしようと、どの機器を使っていようと、常に本人確認とアクセス許可を求めます。まるで、毎回入国審査を受けているようなイメージです。アクセス許可を得るには、機器の状態、利用者の資格情報、アクセスの状況など、様々な要素がチェックされます。例えば、会社の許可なく改造された機器からはアクセスを拒否したり、アクセスしようとしている情報への権限がなければ閲覧を制限したりできます。このように、状況に応じて細かく対応することで、高い安全性を確保します。

ビヨンドコープは、いくつかの部品から成り立っています。まず、アクセス仲介という部品は、すべてのアクセスを監視し、許可されたアクセスだけを通します。次に、機器管理という部品は、会社の機器が適切に管理されているかを確認します。そして、利用者認証という部品は、アクセスしてきたのが本当に本人かどうかを確認します。最後に、セキュリティ規定管理という部品は、これらの部品を連携させ、会社のセキュリティ規定を全体に適用します。これらの部品が連携することで、場所を問わず社内と同じレベルの安全性を提供できるのです。ビヨンドコープは、新しい働き方に対応した、柔軟で強固なセキュリティ対策と言えるでしょう。

BeyondCorpの利点

BeyondCorpの利点

従来の社内ネットワークの境界で安全性を確保する考え方から脱却し、場所や機器に関わらず、安全に会社のシステムへ接続できるしくみ、それが「境界を越えた会社」という意味を持つBeyondCorpです。BeyondCorpを導入することで、企業は様々な恩恵を受けることができます。まず、情報漏えいなどの危険から会社を守ることをより確かなものにすることができます。接続を試みる人や機器を毎回細かく確認することで、許可されていないアクセスや情報の持ち出しを大幅に減らすことが可能です。従来の、会社の外と中を壁で区切るような考え方では、一度壁の内側に入ってしまえば比較的自由に動けてしまうという危険がありました。BeyondCorpでは、社内であっても、まるで会社の外部からアクセスしているかのように、常に確認を行うため、より高い安全性を確保できます。

次に、働く場所や使う機器を選ばない、柔軟な作業環境を作ることができます。家でも、カフェでも、出張先でも、安全に会社のシステムに接続することができるため、従業員はそれぞれの都合に合わせて自由に働くことができます。場所にとらわれずに働けることは、従業員の働きやすさ向上に大きく役立ち、ひいては仕事への意欲向上に繋がります。また、会社にとっても優秀な人材を確保しやすくなるという利点があります。

さらに、システム管理者の負担を軽くし、作業を簡単にすることができます。従来の境界型の安全対策では、仮想私設網(VPN)などの複雑な設定や管理が必要でした。BeyondCorpでは、これらの作業を簡略化することができるため、管理者は本来の業務に集中することができます。管理の手間が減ることは、コスト削減にも繋がります。

これらの利点は、ただ安全性を高めるだけでなく、会社の生産性向上や従業員の満足度向上、ひいては企業全体の競争力向上に繋がります。BeyondCorpは、これからの時代の新しい働き方を支える重要な技術と言えるでしょう。

利点 説明
セキュリティ強化 接続を試みる人や機器を毎回細かく確認することで、許可されていないアクセスや情報の持ち出しを大幅に減らす。社内でも社外からのアクセスと同様に常に確認を行うため、高い安全性を確保。
柔軟な作業環境 場所や機器を選ばずに安全に社内システムに接続可能。従業員の働きやすさ向上、ひいては仕事への意欲向上に貢献。優秀な人材確保にも繋がる。
システム管理の簡素化 VPNなどの複雑な設定や管理を簡略化。管理者の負担軽減とコスト削減を実現。
企業競争力向上 上記の利点により、会社の生産性向上、従業員の満足度向上、ひいては企業全体の競争力向上に繋がる。

BeyondCorpの導入

BeyondCorpの導入

社内ネットワークと外部ネットワークの境界をなくし、あらゆる場所からの安全なアクセスを実現する「境界のない企業」構想。これが「BeyondCorp」です。この構想を実現するには、段階を踏んだ導入が肝要です。

まず初めに、現状の組織における情報安全対策の状況把握と課題の明確化が必要です。現状の対策で何が不足しているのか、どのような危険性が存在するのかを洗い出します。例えば、社員が社外から業務システムにアクセスする際の認証方法や、データへのアクセス権限管理などが適切に行われているかを確認します。この現状把握を基に、BeyondCorp導入によって解決すべき課題を具体的に定めます。

次に、BeyondCorpの構成要素を一つずつ導入していきます。アクセス管理、認証基盤、端末管理といった要素を整備し、それぞれの要素が連携するように設定を行います。特に重要なのは、アクセス制御に関する規則(ポリシー)の設定です。誰が、どの情報資産に、どのような条件でアクセスできるのかを細かく定めることで、不正アクセスや情報漏えいを防ぎます。

導入作業が完了したら、BeyondCorpの運用状況を常時監視し、必要に応じて調整を行います。アクセスログを分析し、不正アクセスの兆候がないか、設定に不備がないかを定期的に確認します。また、社員からの意見や要望を収集し、運用方法を改善していくことも重要です。

BeyondCorpの導入は複雑な作業となる場合もあります。そのため、専門家の助言を得ながら進めることが効果的です。専門家は、現状分析から導入計画の策定、システムの設定、運用支援まで、包括的な支援を提供してくれます。

段階的に導入を進めることで、組織への影響を抑えつつ、BeyondCorpの利点を最大限に活かすことができます。そして、継続的な見直しと改善を行うことで、常に最適な安全対策を維持し、「境界のない企業」の実現に近づけるのです。