ダークファイバー:眠れる光の活用

ダークファイバー:眠れる光の活用

デジタル化を知りたい

先生、ダークファイバーって、使われていない光ファイバーのことですよね? なぜ、最初から必要な分だけ作らないんですか?

デジタル化研究家

いい質問ですね。光ファイバーを埋める工事は、道路を掘ったりする必要があるので、とてもお金がかかります。将来の需要増加を見込んで、多めに作ってあるんですよ。

デジタル化を知りたい

なるほど。でも、使われていないのはもったいないですよね?

デジタル化研究家

その通り。今は国のお陰で、使われていないダークファイバーを他の会社が借りて使えるようになっているので、無駄が減ってきているんですよ。

ダークファイバーとは。

ひかり回線の一種である『使われていないひかり線』について説明します。これは、すでに引かれているけれど、まだひかり信号が通っていないひかり線の芯のことです。ひかり信号が通っていないので、暗い色をしていることから『使われていないひかり線』と呼ばれ、反対にひかり信号が通っているひかり線を『使われているひかり線』と呼びます。ひかり回線を引く工事には大きな費用がかかるため、最初に多めにひかり線を設置しておくのが一般的です。この『使われていないひかり線』は予備として用意されたもので、以前は全く使われていませんでした。しかし、2001年に国が西日本と東日本の電話会社に対し、この『使われていないひかり線』を他社にも使えるようにすることを義務付けました。これにより、『使われていないひかり線』の芯を貸し借りするサービスが始まりました。貸す側は西日本と東日本の電話会社や電力会社、鉄道会社などで、借りる側はインターネット接続業者や新しい通信会社です。2022年現在、この『使われていないひかり線』を使ったインターネット接続サービスを提供している会社もあります。『使われていないひかり線』は、線一本単位で貸し借りされているため、『線貸し』とも呼ばれています。貸し借りの方法には、『線貸し』の他に、小包通信の『通信量貸し』、一本のひかり線に複数の信号を乗せる『波長貸し』などがあります。

未使用の光ファイバー

未使用の光ファイバー

光ファイバー網は、現代社会の情報通信を支える重要な基盤です。光ファイバーケーブルの中には、髪の毛ほどの細いガラス繊維が複数束ねられており、それぞれが光信号を伝送する役割を担っています。これらの光ファイバー全てが使われているとは限りません。すでに設置されているにも関わらず、光信号が通っていない未使用の状態の光ファイバーを「暗い光ファイバー」と呼びます。逆に、光信号が通って使用中の光ファイバーは「明るい光ファイバー」と呼ばれます。

なぜ「暗い光ファイバー」が存在するのでしょうか?それは、光ファイバーの敷設工事に多大な費用と時間がかかるためです。道路を掘削してケーブルを埋設する作業は容易ではなく、一度に多くの作業を行う方が効率的です。将来の通信需要の増加を見込んで、敷設時に予備として多めに光ファイバーを敷設するのが一般的です。この予備として用意された光ファイバーこそが、「暗い光ファイバー」となります。

かつて、この「暗い光ファイバー」は活用されないまま放置されているケースがほとんどでした。まるで眠れる資源のようでした。しかし、近年、情報通信技術の急速な発展に伴い、通信データ量は爆発的に増加しています。この増大する通信需要に対応するため、「暗い光ファイバー」の活用に注目が集まっています。既存のインフラを有効活用することで、新たな敷設工事にかかる費用と時間を大幅に削減できるからです。また、光ファイバーは高速かつ大容量のデータ伝送が可能であるため、高画質動画の配信や、遠隔医療、自動運転といった高度なサービスの実現にも貢献します。「暗い光ファイバー」は、今後の情報通信社会を支える貴重な資源と言えるでしょう。

光ファイバーの種類 状態 説明
明るい光ファイバー 使用中 光信号が通っている光ファイバー
暗い光ファイバー 未使用 光信号が通っていない光ファイバー
将来の需要増加を見込み、敷設時に予備として多めに敷設されている
暗い光ファイバーのメリット 説明
コスト削減 既存インフラの活用により、新たな敷設工事の費用と時間を削減
高速・大容量通信 高画質動画配信、遠隔医療、自動運転などの高度なサービスを実現

開放による活用

開放による活用

光ファイバー網の余剰資源、いわゆるダークファイバーの活用は、長らく課題とされてきました。転機となったのは2001年、総務省が動いた時です。それまで通信網の開放には消極的だった大手通信事業者であるNTT西日本とNTT東日本に対し、ダークファイバーの開放を義務付けるという画期的な施策を打ち出したのです。これにより、通信事業における競争環境整備と、通信網の効率的な運用促進への期待が高まりました。

具体的には、ダークファイバーの芯線を貸し借りするサービスが開始されました。これまで眠っていた未使用の光ファイバー資源に光が灯り、新たな活用への道が開かれたのです。これは、通信業界全体にとって大きな進歩でした。

ダークファイバーを提供する側は、NTT西日本やNTT東日本といった大手通信事業者だけでなく、電力会社や鉄道会社など、自前で光ファイバー網を保有する様々な企業に広がっています。これらの企業は、保有する光ファイバー網の一部を貸し出すことで、新たな収益源を確保することが可能になりました。

一方、ダークファイバーを借りる側は、インターネットサービスプロバイダーや新興の通信事業者など、通信サービスを提供するために光ファイバー網を必要とする企業です。これらの企業は、多額の設備投資を行うことなく、必要な時に必要なだけ光ファイバー網を利用できるようになり、事業展開の柔軟性が大きく向上しました。

このように、ダークファイバーの開放は、貸し手と借り手の双方にメリットをもたらし、通信業界全体の活性化に大きく貢献しています。今後、更なる技術革新や制度改革により、ダークファイバーの活用が更に進展していくことが期待されます。

項目 内容
背景 光ファイバー網の余剰資源(ダークファイバー)の活用が課題
転機 2001年、総務省がNTT東西に対しダークファイバーの開放を義務化
効果 通信事業における競争環境整備、通信網の効率的な運用促進
具体的なサービス ダークファイバーの芯線を貸し借りするサービス
ダークファイバー提供側 NTT東西、電力会社、鉄道会社など自前で光ファイバー網を保有する企業
提供側のメリット 新たな収益源の確保
ダークファイバー借用側 インターネットサービスプロバイダー、新興の通信事業者など通信サービスを提供するために光ファイバー網を必要とする企業
借用側のメリット 多額の設備投資不要、必要な時に必要なだけ利用可能、事業展開の柔軟性向上
全体のメリット 貸し手と借り手の双方にメリット、通信業界全体の活性化
今後の展望 更なる技術革新や制度改革により、ダークファイバーの活用が更に進展

インターネット接続への利用

インターネット接続への利用

光ファイバー網を活用した情報伝達の仕組みは、私たちの社会基盤を支える重要な役割を担っています。2022年より、これまで使われていなかった光ファイバー線、いわゆる暗線(ダークファイバー)を活用した情報伝達接続の提供が始まりました。

暗線とは、既に設置されているものの、現在使われていない光ファイバー線のことです。情報伝達事業者は、この暗線を活用することで、高品質で大容量の情報伝達を顧客に提供できます。例えば、動画を高画質で途切れることなく視聴したり、大容量の資料を瞬時に送受信したりすることが可能になります。これは、社会全体の効率向上に大きく貢献するでしょう。

さらに、暗線の活用は、新たな光ファイバー線の敷設工事を減らすことにも繋がります。既に設置済みの資源を有効活用することで、工事にかかる費用や時間、そして環境への負担を大幅に削減できます。道路を掘り返す工事などが減ることで、地域住民の生活への影響も少なくなり、環境保全の観点からも大きなメリットがあります。

このように、暗線は情報伝達網の整備において、費用対効果環境負荷軽減の両面から重要な役割を果たしています。今後、情報伝達需要の増加が見込まれる中で、暗線の活用はますます重要性を増していくと考えられます。暗線の活用は、持続可能な社会の実現に向けた、大きな一歩と言えるでしょう。

項目 内容
暗線(ダークファイバー)とは 既に設置されているものの、現在使われていない光ファイバー線
活用開始時期 2022年~
メリット 高品質で大容量の情報伝達
新たな光ファイバー線の敷設工事の削減
費用対効果
環境負荷軽減
効果 動画を高画質で途切れることなく視聴
大容量の資料を瞬時に送受信
工事にかかる費用や時間、環境への負担を削減
地域住民の生活への影響減少
環境保全
社会全体の効率向上

貸借りの種類

貸借りの種類

光ファイバー回線を借りる方法はいくつかあり、それぞれの特徴を理解することが重要です。まず「芯線貸し」と呼ばれる方法では、光ファイバーケーブルの中にある髪の毛のように細いガラス線である芯線そのものを借ります。例えるなら、建物の部屋全体を借りるようなものです。借り手は、光信号を送受信する装置を自分で設置し、管理する必要があります。そのため、専門的な知識や技術が必要となりますが、回線を自由に使えるという利点があります。

次に「帯域貸し」は、光ファイバーの通信容量の一部を借りる方法です。これは、建物の部屋の一部を間借りするようなイメージです。データ通信方式の一つであるパケット通信で利用され、必要な通信容量だけを借りることができるため、無駄がありません。また、管理の手間も比較的少なくて済みます。

三つ目に「波長貸し」は、異なる波長の光信号を多重化して送受信することで、一本の光ファイバーで複数の通信を同時に行う技術です。これは、複数のテレビ番組を同時に送受信するケーブルテレビと似ています。一本の光ファイバーケーブルを複数の借り手で共有するため、コストを抑えることができます。

このように、芯線貸し、帯域貸し、波長貸しはそれぞれ異なる特徴を持っています。そのため、回線を借りる際は、必要な通信速度や容量、費用、管理の手間などを考慮し、自社の状況に最適な方法を選ぶことが大切です。専門業者に相談することで、より適切な選択をすることができます。

項目 芯線貸し 帯域貸し 波長貸し
イメージ 部屋全体を借りる 部屋の一部を間借り ケーブルテレビ
内容 芯線そのものを借りる 通信容量の一部を借りる 異なる波長の光信号を多重化して送受信
メリット 回線を自由に使える 必要な容量だけ借りられ無駄がない、管理の手間が少ない コストを抑えることができる
デメリット 専門知識・技術が必要
利用技術 パケット通信 波長分割多重(WDM)

将来の展望

将来の展望

通信技術の進歩は目覚ましく、5世代、6世代といった次世代の通信技術が普及していくにつれて、動画や情報のやり取りはますます盛んになり、それに伴い通信容量の需要も増大していくと見込まれています。このような状況下で、光ファイバー網の未使用部分を指す「ダークファイバー」は、今後ますます重要な役割を担うと考えられます。ダークファイバーは、いわば情報伝達の高速道路となる光ファイバー網の中に、まだ使われていない予備の車線のようなものです。この未使用の光ファイバーを活用することで、増え続ける通信需要に対応できるだけでなく、新たな通信サービスの提供や、既存サービスの品質向上も期待できます。

特に、地方においては、通信網の整備が都市部に比べて遅れている地域も少なくありません。ダークファイバーは、こうした地方の通信環境を改善するための有効な手段となります。都市部と変わらない通信速度で情報にアクセスできるようになれば、地方での仕事や生活はより便利になり、地方への移住促進にも繋がる可能性があります。また、企業にとっても、ダークファイバーは会社のデジタル化を進める上で重要な役割を担います。社内システムの高速化や、大容量データのやり取りをスムーズに行うことが可能になるため、業務効率の改善や新しい事業の創出に繋がることが期待されます。

ダークファイバーの活用は、単に通信サービスの向上に留まらず、地域社会の発展や産業の活性化にも大きく貢献すると考えられます。例えば、遠隔医療やオンライン教育といった分野での活用は、地域住民の生活の質を向上させるでしょう。また、農業や製造業といった分野においても、データに基づいた効率的な生産管理を実現するなど、様々な場面でダークファイバーの活用が期待されています。今後、技術革新や国の政策によって、ダークファイバーの活用方法はさらに多様化していくと考えられ、私たちの生活や社会全体に大きな変化をもたらす可能性を秘めていると言えるでしょう。

将来の展望