
イベントソーシング:記録で状態管理
近ごろの計算機技術の進歩によって、色々な仕組みが複雑になっています。仕組みの状態をうまく扱うことも難しくなり、従来の方法では整理するのが大変な場合が増えてきました。そこで、出来事を記録していく「出来事探し」という考え方が注目されています。
出来事探しとは、仕組みの中で何かが変わった時に、その変化を出来事として記録に残していく方法です。そして、記録された出来事を順番に見ていくことで、仕組みがどのように変化してきたのか、過去のある時点での状態を再現できるようになります。
この方法は、従来の状態管理の方法と比べて多くの良い点があります。例えば、なぜ仕組みの状態が変わったのか、その理由を簡単に追跡することができます。また、過去の状態をいつでも再現できるので、問題が起こった時に原因究明をスムーズに行うことができます。さらに、記録された出来事の情報を使って、将来の予測や分析に役立てることも可能です。
例えば、商品の在庫管理で考えてみましょう。従来の方法では、「現在の在庫数」だけを記録しています。もし在庫数が減った場合、その理由が分かりにくくなります。しかし、出来事探しを使うと、「商品が10個売れた」「商品が5個入荷した」といった出来事を記録します。こうすることで、在庫数の変化とその理由が明確になります。また、過去の任意の時点での在庫数を簡単に計算することができます。
この記事では、出来事探しの基本的な考え方、メリット、そして実際にどのように活用できるのか、具体的な例を挙げて詳しく説明していきます。これを読めば、出来事探しの仕組みや利点、活用方法を理解し、皆様の仕事に役立てることができるでしょう。