イーサネット:社内ネットワークの基礎

イーサネット:社内ネットワークの基礎

デジタル化を知りたい

先生、「イーサネット」ってよく耳にするんですけど、実際どんなものかよくわからないんです。教えてもらえますか?

デジタル化研究家

はい。「イーサネット」とは、会社や家庭でパソコンなどを繋ぐ時に使う通信方法の一つです。みんなで情報を共有するための通信路みたいなものと考えてください。決まった規格があるので、異なる機器同士でも繋げられます。

デジタル化を知りたい

規格があるっていうのは、どういうことですか?

デジタル化研究家

例えば、通信の速さには種類があって、10BASE-T、100BASE-TX、1000BASE-Tなどがあります。1000BASE-Tは「ギガビットイーサネット」とも呼ばれていて、今一番よく使われています。速度以外にも、配線の種類なども規格で決められています。これら規格のおかげで、世界中どこでも同じように通信できるんです。

イーサネットとは。

会社の事務所や家庭で使われている、近くのコンピュータ同士をつなぐ仕組み(地域限定のコンピュータの網のこと)でよく使われている通信の方法である『イーサネット』について説明します。これは、アメリカの電気と電子技術の専門家集団によって規格が決められており、正式な名前は『IEEE802.3』と言います。通信の速さには色々な種類があり、例えば『10BASE-T』、『100BASE-TX』、『1000BASE-T』などがあります。最近では、最大で1秒間に1ギガビットの情報を送れる『1000BASE-T』が主流になっており、ギガビットイーサネットとも呼ばれています。

はじまり

はじまり

職場や家庭で機器を繋ぐ際に利用されている「イーサネット」。今では、情報機器を繋ぐ技術として当たり前のように使われていますが、実は意外と歴史のある技術です。イーサネットが生まれたのは、今から50年ほど前の1970年代のことです。興味深いことに、開発当初のイーサネットは、ハワイにある火山を観測するための無線ネットワーク技術を参考に作られました。遠く離れた火山の活動を監視するために使われていた技術が、今では世界中で情報機器を繋ぐための基盤となっているとは、実に感慨深いものがあります。

その後、1980年代に入ると、米国の電気電子技術者協会(IEEE)によってイーサネットの規格が標準化されました。これは、異なる会社が作った機器同士でも、問題なく通信できるようにするための共通の取り決めです。この標準化が、イーサネット普及の大きな転換点となりました。もし規格が統一されていなかったら、それぞれの会社が独自の規格で機器を作ることになり、互換性が失われていた可能性があります。そうなれば、機器を繋ぐたびに規格を確認する必要が生じ、機器の導入や運用に大きな負担がかかっていたことでしょう。IEEEによる標準化のおかげで、異なるメーカーの機器でも繋がるという、今となっては当たり前の環境が実現しました。この互換性の確保が、イーサネットの普及を大きく加速させ、世界中に広まるきっかけとなったのです。現在では、パソコンや印刷機をはじめ、様々な情報機器を繋ぐ上で、イーサネットは欠かせない技術となっています。まさに、情報化社会を支える縁の下の力持ちと言えるでしょう。

時代 出来事 結果・影響
1970年代 ハワイの火山観測用の無線ネットワーク技術を参考にイーサネットが生まれる 情報機器を繋ぐ技術の誕生
1980年代 IEEEによるイーサネットの規格標準化 異なるメーカーの機器同士の接続が可能になり、普及が加速、
情報化社会を支える基盤技術となる

通信のしくみ

通信のしくみ

電子通信の仕組みは、手紙のやり取りに例えることができます。手紙を送る際には、まず誰に送るか宛名を書きます。そして、伝えたい内容を書いた手紙を封筒に入れます。さらに、差出人の住所と名前も封筒に書き、郵便局に持って行きます。郵便局では、宛名を見て手紙を仕分けし、配達員が宛先の住所まで手紙を届けます。

電子通信もこれとよく似ています。インターネット上では、情報は小さなデータの塊に分割され、それぞれに宛先情報と送信元情報が付けられます。このデータの塊は「パケット」と呼ばれ、ちょうど手紙を封筒に入れた状態に相当します。パケットには、宛先となる機器の固有の番号(IPアドレス)が記されており、これによって情報が正しく届くようになっています。この番号は、家の住所のような役割を果たします。

パケットは、様々な経路を通って宛先の機器まで送られます。インターネットは、世界中に張り巡らされた通信網で、パケットはこの網の中をまるで道路を走る車のように移動していきます。途中で渋滞に巻き込まれるように、通信経路が混雑している場合は、パケットが遅延することもあります。

宛先の機器にパケットが届くと、パケットに含まれていた情報が元の順番通りに組み立て直されます。これは、封筒から手紙を取り出して内容を読むのに似ています。こうして、送信者が送った情報が、受信者に正しく伝わるのです。

複数の機器が同時に通信する場合でも、それぞれのパケットに宛先情報が付いているため、情報が混ざり合うことはありません。これは、郵便局でたくさんの手紙が同時に処理されても、それぞれの宛先に正しく届けられるのと同じです。このように、電子通信はパケットという小さなデータの塊と、宛先情報を活用することで、正確かつ効率的に情報伝達を実現しています。

手紙のやり取り 電子通信
宛名を書く パケットに宛先情報(IPアドレス)を付ける
手紙を封筒に入れる 情報を小さなデータの塊(パケット)に分割する
差出人の住所と名前を書く パケットに送信元情報を付ける
郵便局に持って行く インターネットに送出する
郵便局で手紙を仕分けし、配達 様々な経路を通って宛先の機器までパケットを送る
封筒から手紙を取り出して内容を読む パケットに含まれていた情報を元の順番通りに組み立て直す
複数の人の手紙が同時に処理される 複数の機器が同時に通信する

速度の進化

速度の進化

情報交換の速さを表す通信速度は、技術の進歩と共に大きく変わってきました。初期の頃の通信網であるイーサネットは、毎秒10メガビットという速度で情報をやり取りしていました。これは、一秒間に千枚の絵はがき程度の量の情報を送受信できる速さです。その後、技術革新が進むにつれて、通信速度は飛躍的に向上しました。毎秒100メガビット、毎秒1ギガビットと、まるで道路の幅がどんどん広がるように、情報の通り道が大きく広がっていったのです。今では、毎秒10ギガビット、毎秒40ギガビット、さらには毎秒100ギガビットといった、とてつもない速さで情報伝達ができるようになっています。これは、一秒間に数万枚もの絵はがきをやり取りできるほどの速さです。このような通信速度の向上は、私たちの生活に大きな変化をもたらしました。例えば、大きな書類の送受信にかかる時間は大幅に短縮され、高画質の動画も途切れることなくスムーズに見られるようになりました。また、多くの機器が同時に通信網に接続しても、快適に情報交換ができるようになりました。この速度向上が、情報網の普及と進化を支え、今のような便利な世になったと言えるでしょう。今後も技術開発は進み、通信速度はますます速くなっていくと予想されます。それは、私たちの生活をさらに豊かで便利なものにしてくれるでしょう。

通信速度 説明
10Mbps 初期のイーサネット。一秒間に千枚の絵はがき程度の情報量。
100Mbps 技術革新による速度向上。
1Gbps さらに速度向上。
10Gbps, 40Gbps, 100Gbps 現代の高速通信。一秒間に数万枚の絵はがきに相当。

規格の種類

規格の種類

色々な種類の規格があり、それぞれ通信の速さや使う線材の種類などが違います。そのため、それぞれの規格の特徴を理解し、使う場面に合った規格を選ぶことが大切です。

代表的な規格として、まず「10BASE-T」があります。これは、毎秒10メガビットという速さで情報を送受信する規格です。主に「ツイストペアケーブル」と呼ばれる、2本の導線を縒り合わせた線材を使います。10BASE-Tは、家庭や小規模な事務所での利用に適しています。

次に、「100BASE-TX」という規格があります。これは、毎秒100メガビットという、10BASE-Tよりも10倍速い規格です。こちらもツイストペアケーブルを使いますが、10BASE-Tよりもノイズの影響を受けにくいように工夫された線材が必要です。100BASE-TXは、比較的大規模な事務所や、ある程度の量の情報をやり取りする必要がある環境に適しています。

さらに高速な規格として、「1000BASE-T」があります。これは、毎秒1ギガビットという、100BASE-TXのさらに10倍の速さで情報を送受信できます。1ギガビットは、1000メガビットと同じです。こちらもツイストペアケーブルを使いますが、100BASE-TXよりもさらに高品質な線材が必要です。1000BASE-Tは、大規模な事務所や、大量の情報を高速にやり取りする必要がある環境に適しています。

このように、イーサネットには様々な規格があり、それぞれ通信の速さや使う線材などが異なります。適切な規格を選ぶことで、効率良く情報をやり取りすることが可能になります。規格を選ぶ際には、通信速度だけでなく、使用する機器との互換性や導入コストなども考慮することが重要です。

規格名 通信速度 線材 適用環境
10BASE-T 10Mbps ツイストペアケーブル 家庭、小規模事務所
100BASE-TX 100Mbps ノイズ対策済ツイストペアケーブル 比較的大規模事務所
1000BASE-T 1Gbps (1000Mbps) 高品質ツイストペアケーブル 大規模事務所、大量データ送受信

これからのイーサネット

これからのイーサネット

網の目のように世界中に張り巡らされた情報通信網を支える技術の一つに、イーサネットがあります。この技術は、電子機器同士を繋ぎ、情報をやり取りするための欠かせない手段として、私たちの暮らしを陰で支えています。そして、このイーサネットは、今後も絶えず進化を続けていくと見られています。

まず、通信速度の向上が挙げられます。現在よりも更に速い速度でデータを送受信できるようになれば、動画配信やオンラインゲームといった、多くの情報を必要とするサービスを、より快適に利用できるようになります。まるで、目の前で起きているかのような、リアルな体験のできる仮想現実の世界も、より身近なものになるでしょう。

次に、無線通信技術との融合も期待されます。ケーブルを使わずに機器を繋ぐことで、配線の煩わしさから解放され、より自由な配置が可能になります。また、これまで配線が届かず、情報通信網から取り残されていた場所にも、ネットワークを繋げることが容易になるでしょう。

更に、省エネルギー化も重要な課題です。情報通信網を維持するには、膨大な量の電気が必要です。イーサネットの消費電力を抑えることができれば、地球環境への負荷を軽減することに繋がります。限られた資源を大切に使いながら、持続可能な社会を実現するために、省エネルギー化は欠かせない要素です。

このように、イーサネットは、通信速度の向上、無線通信技術との融合、省エネルギー化といった様々な進化を遂げようとしています。これらの技術革新は、私たちの生活を大きく変える可能性を秘めています。今後、どのような技術が生まれ、私たちの暮らしをどのように便利にしてくれるのか、楽しみであり、大きな期待が寄せられています。

進化の方向性 内容 メリット
通信速度の向上 現在よりも更に速い速度でデータを送受信 動画配信やオンラインゲームの快適化、リアルな仮想現実体験
無線通信技術との融合 ケーブルを使わずに機器を接続 配線の煩わしさからの解放、自由な配置、ネットワーク未整備地域への接続
省エネルギー化 イーサネットの消費電力を抑制 地球環境への負荷軽減、持続可能な社会の実現