ゼロトラスト:信頼ゼロで始める安全対策

デジタル化を知りたい
先生、『すべてを信頼しない』ってどういうことですか? 身内でも疑うってことですか?

デジタル化研究家
そうだね、身内の人も疑う、という意味だね。ネットワークに接続する人や機器はすべて、最初は信用しない、という考え方だよ。たとえ会社の職員や普段使っているパソコンであっても、何か悪いプログラムに感染しているかもしれない、と考えるんだ。

デジタル化を知りたい
なんだか物騒ですね…。具体的にはどうするんですか?

デジタル化研究家
たとえば、会社のネットワークに入るためには、社員証を見せるだけでなく、指紋認証や携帯電話への確認コードの入力が必要になる、といったことだね。こうすれば、例え社員証を盗まれてしまっても、不正アクセスを防げる可能性が高くなる。
ZeroTrustとは。
『ゼロトラスト』という、デジタル化に関係する用語について説明します。これは、『何も信用しない』ことを前提に安全対策を立てる考え方です。外部だけでなく、内部からのアクセスでも、すべてを疑って制限します。そのため、厳しい本人確認の手続きにもとづいたネットワークと安全を守る仕組みとなっています。このしくみでは、認証を受け、許可された人や機器だけがアプリやデータにアクセスできます。さらに、アプリや利用者をインターネット上の大きな脅威から守ります。
はじめに

近ごろ、情報の技術は目覚ましい進歩を遂げており、それと同時に、会社で扱う秘密の資料や個人の大切な情報に対する危険も、より高度に、より巧妙になっています。従来の安全対策は、建物の出入り口に鍵をかけるようなもので、一度中に入ってしまえば、建物の中は比較的自由に移動できてしまうという、弱点がありました。まるで、城壁の内側に入れば安全だと考えているようなものです。しかし、現実には城壁の内側にも危険は潜んでいる可能性があります。
そこで、近年注目されている新しい安全対策の考え方が「ゼロトラスト」です。これは、「何も信用しない」という意味で、すべての接続を疑ってかかり、常に確認作業を行うという、より厳しい安全管理の仕組みです。社内ネットワークに接続しているパソコンやスマートフォン、さらには社内の人間でさえも、すべて信用せず、アクセスするたびに本人確認や権限の確認を行います。
従来のように、一度中に入れば安全と考えるのではなく、アクセスするたびに安全性を確認することで、より高い安全性を確保できます。たとえば、会社のネットワークに接続する際に、毎回パスワードを入力するだけでなく、スマートフォンに送られてくる確認コードを入力するといった多要素認証を導入したり、アクセスしている人の役職や所属部署に応じて、アクセスできる情報に制限をかけたりすることで、情報漏えいのリスクを大幅に減らすことができます。
ゼロトラストは、まるで、城の中を細かく区切って、それぞれの区画に入るたびに鍵を開けるようなものです。これにより、たとえ一部の区画が侵入されても、他の区画への侵入を防ぎ、被害を最小限に抑えることができます。このように、ゼロトラストは、情報化社会において、企業や個人が安全に活動していくために、必要不可欠な考え方と言えるでしょう。
| 従来の安全対策 | ゼロトラスト |
|---|---|
| 建物の出入り口に鍵をかけるようなもの。一度内部に入れば比較的自由に移動できる。 | すべての接続を疑ってかかり、常に確認作業を行う。アクセスするたびに本人確認や権限の確認を行う。 |
| 一度中に入れば安全と考える。 | アクセスするたびに安全性を確認する。 |
| 例:城壁の内側 | 例:城の中を細かく区切って、それぞれの区画に入るたびに鍵を開ける。 |
| 情報漏えいのリスクが高い | 情報漏えいのリスクを大幅に減らすことができる。 |
ゼロトラストとは

ゼロトラストとは、情報を取り扱う際に「何も信用せず、いつも確認する」という基本的な考え方に基づいた安全管理の方法です。これまでのように、組織のネットワーク内は安全で、外側からの攻撃だけを警戒すれば良いという考え方ではなく、組織の内部からも不正が行われる可能性があることを前提としています。まるで城と堀のように、外側だけを守れば中は安全という従来の防御策とは異なり、城内にも敵が潜んでいるかもしれないという認識で、一人ひとりの行動を細かく確認するのがゼロトラストの考え方です。
具体的には、組織のネットワークの内外を区別することなく、すべての接続に対して利用者の確認と権限の確認を行います。たとえ組織内のネットワークから接続している場合でも、疑いの目を持ち続けることで、内部の不正や悪意のあるプログラムの感染による被害の拡大を最小限に抑えることができます。従来の方法では、一度組織のネットワーク内に侵入を許してしまうと、その内部では比較的自由にアクセスできてしまうという弱点がありました。しかし、ゼロトラストでは、ネットワークへの接続場所に関わらず、常に利用者の確認と権限の確認を行うため、仮に不正アクセスがあったとしても、被害を最小限に食い止めることが可能です。
ゼロトラストを実現するためには、多要素認証やアクセス制御、ログ管理など、様々な安全管理技術を組み合わせる必要があります。これらの技術を適切に導入することで、組織全体の安全性を高め、情報漏えいや不正アクセスといったリスクから組織を守ることができます。近年、働き方の多様化やクラウドサービスの利用拡大に伴い、従来の境界型の安全管理では対応しきれないケースが増えています。ゼロトラストは、こうした変化に対応するための新たな安全管理モデルとして、注目を集めています。
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 定義 | 情報を取り扱う際に「何も信用せず、いつも確認する」という基本的な考え方。 組織内外問わず、すべての接続に対して利用者と権限の確認を行うセキュリティモデル。 |
| 従来型との違い | 従来は、組織ネットワーク内部は安全と考え、外部からの攻撃のみを警戒していた。 ゼロトラストは、内部からの不正も想定し、一人ひとりの行動を細かく確認する。 |
| メリット | 内部不正や悪意あるプログラム感染による被害の拡大を最小限に抑える。 不正アクセスがあった場合でも被害を最小限に食い止めることが可能。 |
| 実現方法 | 多要素認証、アクセス制御、ログ管理など、様々な安全管理技術を組み合わせる。 |
| 効果 | 組織全体の安全性を高め、情報漏洩や不正アクセスといったリスクから組織を守る。 |
| 背景 | 働き方の多様化やクラウドサービスの利用拡大により、従来の境界型セキュリティでは対応しきれないケースが増加。 |
ゼロトラストの必要性

在宅勤務の広がりや、情報をクラウド上で扱うことが多くなったことで、会社のネットワークの境界線が曖昧になってきています。従来の、境界線を守るセキュリティ対策では、会社内部のネットワークと外部のネットワークをはっきり分けて、外部からの侵入を防ぐことに重点が置かれていました。しかし、クラウド上で情報を扱う場合、データは会社の外に保存され、従業員はどこからでもアクセスできるため、境界線そのものが意味をなさなくなってきています。もはや、社内だから安全、社外だから危険、という単純な区別はできなくなっているのです。
このような状況下で、すべてのアクセスを疑ってかかる「ゼロトラスト」という考え方が重要になってきています。「ゼロトラスト」は、アクセス元がどこであっても、社内であっても社外であっても、すべてのアクセスを信頼せず、必ず確認するというセキュリティモデルです。ネットワークの場所ではなく、アクセスする人や機器、扱うデータそのものに着目し、常に認証と許可を繰り返すことで、不正アクセスを未然に防ぎます。
具体的には、多要素認証で本人確認を厳格化したり、アクセスできるデータの範囲を必要最小限に絞ったり、アクセス状況を常時監視して怪しい動きを早期に発見したりするなどの対策が挙げられます。ゼロトラストは、境界防御では防ぎきれない、内部からの情報漏えいや、気づきにくい巧妙な攻撃にも効果を発揮します。クラウドサービスの利用拡大に加え、多様な端末から仕事をすることが当たり前となった現代において、ゼロトラストは、企業の情報資産を守る上で、必要不可欠な考え方と言えるでしょう。
| 従来のセキュリティ対策 | ゼロトラスト |
|---|---|
| 境界線を守る | すべてのアクセスを疑う |
| 社内=安全、社外=危険 | アクセス元に関わらず、常に認証と許可 |
| 外部からの侵入を防ぐことに重点 | アクセスする人、機器、データに着目 |
| 境界防御 | 多要素認証、アクセス制限、常時監視 |
| 内部からの情報漏えいや巧妙な攻撃に弱い | 内部からの情報漏えいや巧妙な攻撃にも効果 |
ゼロトラストの仕組み

『信じない』を前提とした考え方であるゼロトラスト。これは従来の境界型防御とは大きく異なるセキュリティ対策です。従来は、組織のネットワーク内部を安全地帯とみなし、外部からの侵入を防ぐことに注力していました。しかし、クラウドサービスの普及やテレワークの増加により、境界が曖昧になり、内部からの脅威も増加しています。そこで登場したのがゼロトラストです。
ゼロトラストは、ネットワークの内外を問わず、あらゆるアクセスを信頼しないという原則に基づいています。システムやデータにアクセスしようとするユーザーや機器は、その正当性を常に確認する必要があります。この確認には、様々な技術が組み合わされています。
まず、多要素認証が重要です。これは、パスワードに加えて、スマートフォンへの通知や指紋認証など、複数の方法で本人確認を行う仕組みです。パスワードが盗まれたとしても、他の要素で認証が突破されなければ、不正アクセスを防ぐことができます。
次に、アクセス制御があります。これは、ユーザーの役割やアクセス対象のデータの重要度に応じて、アクセス権限を細かく設定するものです。必要な情報にのみアクセスを許可することで、万が一不正アクセスが発生した場合でも、被害を最小限に抑えることができます。
脅威の検知も欠かせません。ネットワーク上の怪しい動きを常に監視し、攻撃の兆候を早期に発見します。人工知能を活用した高度な分析技術を用いることで、巧妙化するサイバー攻撃にも対応できます。
最後に、情報の暗号化です。保存時や送受信時に情報を暗号化することで、たとえ情報が漏れても、内容を読み取られないように保護します。暗号化は、情報漏えい対策の最後の砦として重要な役割を果たします。
これらの技術を組み合わせることで、ゼロトラスト環境を実現し、組織の情報を安全に守ることができます。変化の激しい情報社会において、ゼロトラストは不可欠なセキュリティ対策と言えるでしょう。
| 要素 | 説明 |
|---|---|
| 信じない前提 | 従来の境界型防御と異なり、ネットワーク内外問わず全てのアクセスを信頼しない |
| 多要素認証 | パスワードに加え、スマホ通知や指紋認証など複数の認証要素を用いる |
| アクセス制御 | ユーザーの役割やデータの重要度に応じてアクセス権限を細かく設定 |
| 脅威の検知 | ネットワーク上の怪しい動きを監視し、攻撃の兆候を早期発見 |
| 情報の暗号化 | 保存時や送受信時に情報を暗号化し、情報漏えい対策 |
導入のメリット

情報技術を用いた変革を進めることで、会社は様々な良い点を手にすることができます。まず、安全に関わる危険を大きく減らすことができます。社内での不正や外からの攻撃による情報の流出、機械の不具合といった危険を極力小さくすることができます。
これは、法令をきちんと守ることにも繋がります。個人の情報を守る法律や海外の情報の取り扱いに関する法律などで求められる安全対策をより良くすることができます。最近増えている、自宅など会社以外の場所で仕事をする場合の安全性の向上にも役立ちます。働く場所を選ばずに安心して仕事ができる基盤を作ることができます。
加えて、情報を保管したり処理したりする場所を会社で持たない、いわゆる外部の場所で管理する仕組みを安全に使うことを後押しできます。この仕組みを使う上での安全に関する危険を減らし、より安心して使えるようになります。
具体的には、従業員のそれぞれに合わせた適切な権限を設定することで、必要最低限の情報へのアクセスのみを許可し、不正アクセスや情報漏洩のリスクを低減できます。また、アクセス状況を常に監視し、怪しい動きがあればすぐに検知・対応することで、被害を最小限に抑えられます。さらに、様々な機器や仕組みを繋げることで、全体の安全性を高め、より強固な守りを構築できます。これにより、会社は、経営資源を安全対策以外の業務に集中させることができ、生産性の向上や新たな事業への取り組みを促進できるでしょう。
情報技術を使った変革は、単なる技術の導入ではなく、会社の働き方や文化を変える取り組みです。安全性を高めるだけでなく、社員の満足度向上や業務効率化にも繋がり、会社全体の成長に大きく貢献します。
| カテゴリ | 情報技術を用いた変革による効果 |
|---|---|
| 安全性向上 |
|
| 経営への効果 |
|
| その他効果 |
|
まとめ

昨今の情報技術の進歩は目覚ましく、同時に脅威も複雑化し、巧妙になっています。従来の境界型防御では、一度内部ネットワークに入ってしまえば、安全が保障されていると見なされ、その後のアクセスは比較的自由にできてしまうという弱点がありました。社内ネットワークと社外ネットワークの境界を重視するのではなく、あらゆるアクセスを疑うという考え方が「ゼロトラスト」です。この「ゼロトラスト」は、場所を問わず、すべてのアクセスに対して認証と認可を要求することで、不正アクセスや情報漏えいを防ぎます。
ゼロトラストを実現するためには、まず、利用者や端末、アプリケーションといった接続元を識別することが重要です。次に、接続先の資源へのアクセス許可を、その都度確認します。アクセスが許可された場合でも、必要最小限の権限のみを与え、常に監視を続けることで、潜在的な脅威を早期に発見し、被害を最小限に抑えることが可能になります。
ゼロトラストへの移行は、組織にとって大きな変化となるため、一足飛びに完全な形で実現しようとせず、段階的に進めることが重要です。例えば、まず重要な情報資産へのアクセスからゼロトラストの仕組みに移行し、段階的に範囲を広げていくことが考えられます。また、多要素認証の導入やアクセス権限の見直しなど、現状のセキュリティ対策を強化するだけでも、ゼロトラストへの移行に向けた準備となります。
ゼロトラストは、導入に時間と費用がかかりますが、将来を見据えた情報資産の保護には不可欠な投資と言えるでしょう。変化し続ける脅威から組織を守るために、ゼロトラストの導入を検討してみてはいかがでしょうか。
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 従来の境界型防御の弱点 | 内部ネットワークへの侵入を許すと、その後のアクセスが比較的自由になる。 |
| ゼロトラストの考え方 | あらゆるアクセスを疑い、場所を問わず、すべてのアクセスに対して認証と認可を要求する。 |
| ゼロトラスト実現のステップ | 1. 接続元(利用者、端末、アプリケーション)の識別 2. 接続先の資源へのアクセス許可を都度確認 3. 必要最小限の権限付与と常時監視 |
| ゼロトラスト移行のポイント | 段階的移行(例: 重要な情報資産から開始) 現状のセキュリティ対策強化(例: 多要素認証、アクセス権限見直し) |
| ゼロトラスト導入の費用対効果 | 時間と費用はかかるが、将来の情報資産保護のための投資として不可欠。 |
