ユークリッド距離:データ分析の基本

デジタル化を知りたい
先生、『ユークリッド距離』って、何ですか?難しそうです。

デジタル化研究家
うん。簡単に言うと、まっすぐな線で測った2点間の距離のことだよ。例えば、地図上で2つの地点の直線距離を求めるときに使ったりするんだ。

デジタル化を知りたい
ああ、確かに。でも、ピタゴラスの定理とか、主成分分析とか、難しい言葉が出てきてよくわからないです。

デジタル化研究家
確かに難しいね。ピタゴラスの定理は、直角三角形の辺の長さの関係を表す公式で、ユークリッド距離を求めるときにも使われることがあるんだよ。主成分分析は、たくさんのデータの特徴を分かりやすくするために、重要な要素を見つけ出す手法で、これもユークリッド距離が使われることがあるんだ。ユークリッド距離はデータ分析の基本的な道具の一つと考えていいよ。
ユークリッド距離とは。
いわゆる「デジタルトランスフォーメーション(DX)」でよく使われる言葉に「ユークリッド距離」というものがあります。これは、平面上あるいは空間上の二つの点の間の、まっすぐな距離のことです。普段は、ピタゴラスの定理(三平方の定理)を使って計算します。この距離は、データの分析によく使われており、例えば、主成分分析や、データのグループ分け、そして、いつものパターンから外れた値を見つける時などに利用されます。
ユークリッド距離とは

ユークリッド距離とは、平面や空間上にある二つの点の間の、まっすぐな距離のことです。私たちの日常で、ごく自然に感じている距離の考え方と言えるでしょう。たとえば、地図上で二つの場所の最短距離を知りたいとき、あるいは部屋の中で二つの物の間隔を測りたいとき、無意識のうちにユークリッド距離の考え方を用いています。
この距離の測り方は、私たちが目で見て理解しやすい二次元や三次元の空間だけでなく、もっと多くの次元を持つ空間にも当てはめることができます。多くの次元を持つ空間と聞くと難しく感じるかもしれませんが、たくさんの種類の情報を持つデータを扱うときには、この考え方が役に立ちます。例えば、あるお店の顧客の年齢、収入、過去の買い物といった複数の情報を持つ場合、それぞれの顧客は多くの次元を持つ空間の中の点として表すことができ、顧客同士の似ている度合いをユークリッド距離を使って測ることができます。
具体的には、二次元平面上の二点間のユークリッド距離は、ピタゴラスの定理を使って計算できます。二点の座標をそれぞれ(x1, y1)と(x2, y2)とすると、二点間の距離は√((x2-x1)^2 + (y2-y1)^2)で求められます。これは、二点を結ぶ線分を斜辺とする直角三角形を考え、その直角を挟む二辺の長さをそれぞれx座標の差とy座標の差とすることで、斜辺の長さ、つまり二点間の距離を求めていることになります。三次元空間の場合も同様に、z座標の差も加えて計算することで、二点間の距離を求めることができます。
このように、ユークリッド距離は、データ分析や機械学習の分野で、データ間の類似度を測る基本的な指標として広く使われています。例えば、顧客のグループ分けや、商品の推薦など、様々な場面で応用されています。ユークリッド距離は、直感的に理解しやすく、計算も比較的簡単であるため、データ分析の入門として最適な概念と言えるでしょう。
| ユークリッド距離とは | 平面や空間上にある二つの点の間の、まっすぐな距離のこと |
|---|---|
| 例 | 地図上で二つの場所の最短距離 部屋の中で二つの物の間隔 |
| 多次元への適用 | 顧客の年齢、収入、過去の買い物といった複数の情報を持つ場合、それぞれの顧客は多くの次元を持つ空間の中の点として表すことができ、顧客同士の似ている度合いをユークリッド距離を使って測ることができる。 |
| 計算方法 (二次元) | 二点の座標をそれぞれ(x1, y1)と(x2, y2)とすると、二点間の距離は√((x2-x1)^2 + (y2-y1)^2) |
| ピタゴラスの定理 | 二点を結ぶ線分を斜辺とする直角三角形を考え、その直角を挟む二辺の長さをそれぞれx座標の差とy座標の差とすることで、斜辺の長さ、つまり二点間の距離を求めている。 |
| 応用分野 | データ分析や機械学習の分野で、データ間の類似度を測る基本的な指標として広く使われている。(顧客のグループ分け、商品の推薦など) |
計算方法

ユークリッド距離は、二つの点の間の隔たりを測るものさしのようなものです。この隔たりは、皆さんもよくご存知のピタゴラスの定理、別名、三平方の定理を使って計算します。
例えば、平面上に二つの点がある場合を考えてみましょう。この平面は、縦と横の二方向で位置を示すことができます。それぞれの点の位置は、横方向の値と縦方向の値の組で表されます。ユークリッド距離を求めるには、まず二つの点の横方向の値の差を求め、それを二乗します。次に、二つの点の縦方向の値の差を求め、それも二乗します。そして、この二つの二乗した値を足し合わせ、最後にその合計の平方根を計算します。これが、まさに平面上の二点間のユークリッド距離です。
この考え方は、空間にも広げられます。空間では、位置を表すのに縦、横、高さの三方向の値が必要です。空間上の二点間のユークリッド距離を求めるには、平面の場合と同様に、各方向の値の差をそれぞれ二乗し、それらを合計し、その合計の平方根を計算します。
さらに、縦、横、高さ以外のさらに多くの方向を持つような場合でも、ユークリッド距離の計算方法は変わりません。各方向の値の差を二乗し、それらをすべて合計し、その合計の平方根を求めればよいのです。
このようにして計算されるユークリッド距離は、様々な計算を行う際に利用されます。例えば、似たもの同士のデータを見つけ出す時や、データ同士の関連性を調べる時など、データ分析の様々な場面でユークリッド距離は重要な役割を果たしています。
活用事例:主成分分析

多くの情報を持つ複雑なデータを、より単純で扱いやすい形に変換する手法の一つに、主成分分析というものがあります。これは、高次元、つまり多くの変数で表されるデータを、より少ない変数で表現できるように圧縮する技術です。データが持つ情報をなるべく失わずに、重要な特徴だけを抜き出すことが目的です。
この主成分分析を行う際に、ユークリッド距離という概念が重要な役割を果たします。ユークリッド距離とは、二つの点の間の直線距離を指します。データ分析においては、各データ点を多次元空間上の点として捉え、それらの点同士の距離をユークリッド距離で計算します。
主成分分析では、データのばらつきが最も大きくなる方向を探し出すことが重要です。データのばらつきが大きい方向ほど、そのデータの特徴をよく表していると解釈できるからです。ユークリッド距離を使うことで、データの散らばり具合を適切に測ることができます。データ点が互いに遠く離れているほど、ばらつきが大きいと判断できます。
具体的には、ユークリッド距離を用いてデータの分散を計算し、分散が最大となる方向に新たな軸を設定します。これが第一主成分と呼ばれる軸です。次に、第一主成分と直交する方向の中で、再び分散が最大となる方向を探し、第二主成分とします。これを繰り返すことで、データの重要な特徴を表す複数の主成分軸を導き出すことができます。
こうして、もとの高次元データは、少数で重要な主成分軸によって表現できるようになり、データの可視化や分析が容易になります。例えば、数百の変数で構成された複雑な顧客データを、数個の主成分で表現することで、顧客の属性や購買傾向を直感的に理解できるようになるなど、様々な利点があります。

活用事例:クラスター分析

集団分けのやり方として、似ているもの同士をまとめていく方法があります。これを集団分け解析と呼びます。この解析を使うことで、たくさんのデータの中から隠れた規則性を見つけることができます。データ同士の似ている度合いをはかるために、ユークリッド距離というものがよく使われます。これは、データとデータの間の距離を測るもので、距離が近いほど、データは似ていると考えられます。
例えば、お店でお客さんが何を買ったかという記録があるとします。この記録を基に、お客さんをいくつかのグループに分けることができます。お客さん一人ひとりの買い物記録をデータとして、ユークリッド距離を使って、似ている買い物をする人同士を同じグループにまとめていきます。距離が近い、つまり買い物の傾向が似ているお客さんたちは、同じような好みに違いないと考えられます。
このようにして分けられたお客さんのグループのことを、顧客区分と呼びます。顧客区分を行うことで、それぞれのグループに合わせた販売戦略を立てることができます。例えば、あるグループは、お菓子をよく買うグループだとします。このグループには、新発売のお菓子の広告を出す、あるいは、お菓子の特売日のお知らせを送るといった販売戦略が考えられます。別のグループは、日用品をよく買うグループだとします。こちらには、新しい洗剤の広告や、日用品の割引券を送る、といった具合です。
顧客区分以外にも、集団分け解析は様々な場面で使われています。例えば、商品の分類、地域の特徴分け、病気の診断などです。たくさんのデータの中から意味のあるグループを見つけることで、問題解決に役立てることができます。データ活用の方法として、集団分け解析は、大変役に立つ手法と言えるでしょう。

活用事例:異常値検知

異常値検知とは、集めたデータの中に埋もれている、他のデータとは大きく異なる値を見つける手法です。普段とは違う値を見つけることで、色々なところで役立ちます。例えば、工場の機械の調子を見たり、インターネットの通信状況を監視したり、クレジットカードの不正利用を見つけたりするのに使われています。
異常値を見つける一つの方法として、ユークリッド距離というものを使います。ユークリッド距離とは、簡単に言うと、データ同士の「距離」を測る物差しです。たくさんのデータが集まっている中で、あるデータが他のデータからどれくらい離れているかを測ることで、異常かどうかを判断します。例えば、ある工場の機械の温度を毎日測っていたとします。ほとんどの日は温度がほぼ同じなのに、ある日だけ極端に温度が高かったとしたら、それは他のデータから大きく離れているので、異常値だと判断できます。
具体例として、会社の事務システムの記録を監視する場合を考えてみましょう。通常、一日に数百件のアクセスがあるシステムで、ある日突然アクセス数が数万件に跳ね上がったとします。この急激なアクセス数の増加は、他の日々のアクセス数と比べて大きく異なっています。ユークリッド距離を使ってこのアクセス数を他のデータと比較すれば、明らかに他のデータから大きく離れた値、つまり異常値であると検知できます。
このように異常値を検知することで、システムの不具合や不正アクセスといった問題を早期に発見することができます。システムの記録の中から普段と違う点を見つけることで、何かおかしいことが起きていることにいち早く気づくことができます。そして、すぐに対応することで、大きな損害を防ぐことができます。例えば、機械の故障を未然に防いだり、不正アクセスによる情報漏洩を防いだりすることができます。これにより、会社の安全を守り、安定した事業運営を行うことができます。
| 異常値検知 | 他のデータとは大きく異なる値を見つける手法 |
|---|---|
| ユークリッド距離 | データ同士の距離を測る物差し。異常値検知に利用できる。 |
| 具体例(工場の機械) | 普段と温度が大きく異なる場合、異常値として検知。 |
| 具体例(事務システム) | アクセス数が急増した場合、異常値として検知。 |
| 異常値検知のメリット | 問題の早期発見、損害の防止、会社の安全確保、安定した事業運営 |
他の距離尺度との比較

様々な計算方法でデータ間の距離や類似性を測ることができます。それぞれの計算方法には特徴があり、目的に合わせて適切な方法を選ぶことが大切です。よく使われる計算方法の一つに、ユークリッド距離があります。これは、二点間の直線距離を測る方法で、例えば地図上で二地点間の最短距離を求めるような場合に適しています。データの全体的な類似度を把握したい場合にも有効です。
一方、マンハッタン距離と呼ばれる計算方法もあります。これは、碁盤の目状の道筋を進むように、横と縦の移動距離の合計で距離を測る方法です。例えば、建物の密集した都市でタクシーの移動距離を計算する場合に適しています。この方法は、特徴量の差の絶対値の合計で計算されます。ユークリッド距離とは異なり、斜めの移動は考慮されないため、異なる結果が得られる場合があります。
また、コサイン類似度と呼ばれる計算方法もあります。これは、二つのデータがどれくらい同じ方向を向いているかを測る方法です。データの向き、すなわち角度に着目するため、データの大きさには影響を受けません。例えば、商品の購買データ分析において、顧客の購買傾向の類似性を評価する場合に役立ちます。
このように、ユークリッド距離、マンハッタン距離、コサイン類似度など、様々な計算方法が存在します。どの方法を選ぶかは、データの特性や分析の目的によって慎重に検討する必要があります。例えば、データの絶対的な距離を測りたい場合はユークリッド距離が、特徴量の差を重視したい場合はマンハッタン距離が、データの方向性を重視したい場合はコサイン類似度が適していると言えるでしょう。
| 計算方法 | 説明 | 用途例 | 特徴 |
|---|---|---|---|
| ユークリッド距離 | 二点間の直線距離 | 地図上で二地点間の最短距離を求める、データの全体的な類似度を把握する | データの絶対的な距離を測る |
| マンハッタン距離 | 横と縦の移動距離の合計で距離を測る | 建物の密集した都市でタクシーの移動距離を計算する | 特徴量の差の絶対値の合計で計算、斜めの移動は考慮されない、特徴量の差を重視 |
| コサイン類似度 | 二つのデータがどれくらい同じ方向を向いているかを測る | 商品の購買データ分析において、顧客の購買傾向の類似性を評価する | データの向きに着目、データの大きさには影響を受けない、データの方向性を重視 |
