AI活用 自動計画の立役者:STRIPS
人工知能という言葉がまだ夢物語だった時代、1970年代初頭にスタンフォード研究所(現SRIインターナショナル)である画期的なシステムが誕生しました。その名はSTRIPS(スタンフォード研究所問題解決機)。これは、ロボットに自動的に計画を実行させることを目的とした人工知能システムです。具体的には、当時開発されたロボット「シェーキー」に搭載され、その能力を最大限に引き出すために利用されました。シェーキーは、まるで自らの意思を持っているかのように、障害物を巧みに避けながら指示された場所に移動したり、物を動かしたりすることができました。このシェーキーの驚くべき行動は、STRIPSによって生成された計画に基づいていたのです。STRIPSは、与えられた目標を達成するために必要な一連の行動を自動的に計算し、シェーキーに指示を出していました。これは、それまでのロボット制御の常識を覆す画期的な成果であり、人工知能研究における大きな一歩となりました。STRIPS以前は、ロボットの行動は全て人間が事前にプログラムする必要がありました。しかし、STRIPSの登場により、コンピュータが自律的に計画を立案する時代が幕を開けたのです。これは、ロボット工学だけでなく、人工知能全体の発展に大きく貢献しました。STRIPSはまさに自動計画分野の草分け的存在であり、その後の多くの研究に影響を与え、今日の自動運転技術などにもつながる重要な技術の礎を築いたと言えるでしょう。
