IT監査

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セキュリティ

企業統治とSOX法:デジタル化の重要性

二〇〇二年、アメリカで企業の不正な経理操作を防ぐための新しい法律が作られました。「上場企業会計改革および投資家保護法」、通称「ソックス法」と呼ばれるこの法律は、エンロン社やワールドコム社といった巨大企業の不正経理事件がきっかけで生まれました。これらの事件によって投資家たちの信頼は大きく揺らいでしまい、その信頼を取り戻すために、この法律は制定されたのです。ソックス法は、企業が発表する財務報告の正しさを高め、不正が行われるのを防ぐための厳しい決まりを定めています。具体的には、企業のトップである最高経営責任者や最高財務責任者が、財務報告の正しさに責任を持つことなどが定められました。また、会計監査を行う会社に対しても、より厳しいチェック体制が求められるようになりました。これらの決まりによって、企業は社内のチェック体制を強化し、誰にでもわかりやすい経営を行う必要が出てきたのです。この法律の影響はアメリカ国内だけにとどまりませんでした。ソックス法の制定は、アメリカの企業文化を大きく変え、世界中の企業の経営方法にも変化をもたらしたのです。日本では、企業の内部チェックを強化する動きが活発になり、ソックス法と似た制度が取り入れられています。不正な経理操作は、市場経済にとって大きな脅威です。投資家たちは、企業が発表する財務情報を見て投資を決めるため、もしその情報が正しくなければ、適切な判断ができなくなってしまいます。ひいては、市場全体の信頼性を損ない、経済の停滞につながる恐れもあるでしょう。ソックス法は、健全な市場経済を守るために欠かせない法律であり、企業の信頼性を守る盾と言えるでしょう。
IT活用

コンピューターで監査を進化させる!CAATとは?

計算機を使った監査の方法である計算機支援監査技法について説明します。計算機支援監査技法とは、計算機を活用した監査の方法のことです。これまでの監査は、紙の帳簿や伝票を一枚一枚確認していく、時間と手間のかかる作業でした。しかし、会社の活動が計算機化されるにつれて、莫大な量の記録が電子的に保存されるようになりました。そこで、これらの記録を能率的に分析し、監査の正確さを高めるために計算機支援監査技法が取り入れられるようになりました。計算機支援監査技法を使うことで、大量の記録を短時間で処理し、不正や誤りの兆候を速やかに見つけることができます。例えば、特定の条件に合致する取引を抽出したり、統計的な分析を行ったりすることで、従来の方法では見つけるのが難しかった不正の兆候を検知することが可能になります。また、監査の記録を電子的に保存することで、監査の過程を透明化し、監査の質の向上にも繋がります。計算機支援監査技法には、様々な種類があります。例えば、特定の取引を抽出するためのプログラムや、統計的な分析を行うためのプログラムなどがあります。これらのプログラムは、監査対象の会社の規模や業種、そして監査の目的に合わせて、適切なものを選ぶ必要があります。また、計算機支援監査技法を効果的に活用するためには、監査担当者が計算機に関する知識や技能を習得しておくことも重要です。近年、会社の活動がますます計算機化されるにつれて、計算機支援監査技法の重要性はますます高まっています。今後、人工知能などの新しい技術を活用した、さらに高度な監査技法の開発も期待されています。