IT活用 デジタル音楽時代の立役者:MP3
音を小さくする技術は、正式にはエムペグワン音声階層3と呼ばれ、音を目に見える数値の列として扱う方法の一つです。この技術の最も優れた点は、その高い縮小能力にあります。従来の音声数値列、例えば窓辺の機械でよく使われている波形などと比べると、エムペグワン音声階層3は格段に小さい大きさにまとめることができます。音声数値列を縮小するというのは、例えるなら数値の列を間引くようなものです。必要のない情報を除くことで、まとめた大きさも小さくなるのです。エムペグワン音声階層3の場合、人の耳では聞き取れない音や、他の音にかき消されてしまう音を削ることで、高い縮小率を達成しています。とはいえ、音を削るということは、元の音からいくらか変化が生じるということでもあります。音楽を例に挙げると、広いホールで演奏されるオーケストラの演奏は、様々な楽器の音が複雑に重なり合っています。この演奏をそのまま数値列に変換すると、膨大な量のデータになってしまいます。そこで、エムペグワン音声階層3では、人の耳には聞こえにくい高い音や低い音、大きな音に隠れてしまう小さな音などを特定し、それらをデータから除去します。こうして数値列の大きさを小さくするのですが、それと同時に、元の演奏データには存在していた音が失われてしまうのです。これは、高圧縮を実現する代わりに、音質はある程度悪くなるという表と裏の関係があるということです。また、どの程度音を削るかの度合いは調整可能です。圧縮率を高く設定すればファイルサイズは小さくなりますが、音質の劣化も大きくなります。逆に、圧縮率を低く設定すれば音質の劣化は抑えられますが、ファイルサイズは大きくなります。そのため、求める音質とファイルサイズのバランスを考えて、適切な圧縮率を選ぶ必要があります。
