機械学習

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データ活用

データの集まりを視覚的に捉える

多くのものをまとめる時、似たものを集めてグループにするのは、誰もが自然に行うことです。階層的クラスター分析とは、まさにこの考え方を統計的手法として体系化したものです。複数のデータを、似ている度合い(類似度)を測ることで、段階的にグループ分けしていく方法です。この手法は、データの全体像を掴むのに役立ちます。例えば、たくさんの買い物客がいるとします。買い物客一人一人の購入履歴を分析し、類似度が高い客同士をグループにまとめます。すると、「よくお菓子を買うグループ」「お酒をよく買うグループ」「野菜をよく買うグループ」など、いくつかのグループが見えてきます。それぞれのグループの特徴を把握することで、それぞれのグループに合わせた商品配置や販売戦略を考えることができます。階層的クラスター分析の特徴は、データをグループ化する過程が階層的、つまり木構造のように段階的に行われることです。最初は個々のデータがバラバラに存在していますが、分析を進めるにつれて、類似度の高いデータ同士がくっついてグループを形成していきます。小さなグループがさらに集まって、より大きなグループとなり、最終的には一つの大きなグループにまとまります。このグループ分けの過程は、樹形図(専門的にはデンドログラムと呼ばれます)として視覚的に表現することができます。樹形図を見ることで、どのデータがどのデータと近いか、どの段階でグループが形成されたかなどを、直感的に理解することができます。階層的クラスター分析は、顧客のグループ分け以外にも、様々な場面で使われています。例えば、商品の特性を分析して似た商品をグループにまとめ、商品の分類や新商品の開発に役立てることができます。また、病気の症状を分析して、似た症状の患者をグループにまとめることで、病気の分類や診断に役立てることもできます。このように、階層的クラスター分析は、大量のデータから隠れた関係性を見つけ出し、全体像を把握するための強力な手法と言えるでしょう。
AI活用

文章を適切に区切る技術:N-gram

近頃は、コンピュータやインターネットの普及によって、文字情報が爆発的に増えています。この膨大な量の文章を、どのようにうまく扱うかが、社会全体の大きな課題となっています。例えば、インターネットで調べ物をしたい時、検索語句に関連した情報だけを、いかに早く探し出すかが重要です。また、外国語で書かれた文章を、すぐに自分の国の言葉で読めるようにすることも求められています。さらに、長文を短くまとめて、要点だけを把握できるようにする技術も重要です。こうした様々な課題を解決するために、文章を適切に処理する技術が必要不可欠となってきています。そこで今回ご紹介するのは、文章を適切な単位に区切る技術である「Nグラム」です。「Nグラム」とは、文章を連続した言葉の塊で捉える手法です。例えば、「今日は良い天気です」という文章を、二つの言葉の塊で捉える場合、「今日 は」「は 良い」「良い 天気」「天気 です」という四つの塊に区切られます。これを二グラムと呼びます。同様に、三つの言葉の塊で捉える場合は三グラム、四つの言葉の塊で捉える場合は四グラムと呼ばれます。この「Nグラム」は、言葉を単独で見るのではなく、周りの言葉との繋がりを考慮することで、文章の特徴をより的確に捉えることができます。例えば、「天 気」と「天気」を比べてみましょう。前者は単に「天」と「気」という二つの言葉が並んでいるだけですが、後者は「天気」という一つの意味を持つ言葉です。このように、「Nグラム」を使うことで、言葉の並び方から、文章の意味や構造を理解することができます。「Nグラム」は、検索エンジンの最適化や機械翻訳、文章の自動要約など、様々な分野で活用されています。検索エンジンでは、ユーザーが入力した言葉の並びから、ユーザーが本当に求めている情報を推測するために使われています。機械翻訳では、原文の言葉の並びを分析することで、より自然な翻訳結果を生み出すために役立っています。また、文章の自動要約では、文章中の重要な言葉の塊を抽出することで、文章全体の要点をまとめるために使われています。このように、「Nグラム」は、現代の情報化社会において、文章を扱うための基盤技術として、なくてはならないものとなっています。
マーケティング

解約を予測し未端に防ぐ

お客さまが契約をやめることは、企業にとって大きな痛手となります。売上減少はもちろんのこと、新規のお客さまを獲得するための費用もかさむため、利益を圧迫する要因となります。そうした損失を少しでも減らすためには、お客さまが契約をやめる前にその予兆をつかみ、適切な対応をすることが重要です。契約をやめる可能性が高いお客さまを事前に見つける方法が、解約予測です。これは、過去のお客さまの情報や行動の記録などを詳しく調べ、これから契約をやめる可能性が高いお客さまを特定する技術です。具体的には、お客さまとの関係を管理する仕組み(顧客関係管理システム)に保存されているお客さま情報や、過去に契約をやめたお客さまの情報などを利用します。これらの情報を統計的な方法や、機械学習と呼ばれる計算方法を用いて分析し、解約予測のひな形を作ります。このひな形を解約予測モデルと呼びます。このモデルを使うことで、近い将来に契約をやめる可能性が高いお客さまを予測することができます。例えば、ある通信会社の場合、通話時間やデータ通信量の減少、料金プランの変更履歴、問い合わせ内容などを分析することで、解約の兆候を捉えることができます。また、ウェブサイトやアプリの利用状況なども貴重な情報源となります。これらの情報を組み合わせて分析することで、より精度の高い予測が可能となります。近年、計算技術の発達により、人工知能を用いた高度な予測も可能になってきました。これにより、従来の方法よりも高い精度で予測ができるようになり、より効果的な解約防止策を講じることができるようになっています。例えば、解約の可能性が高いと予測されたお客さまに対して、特別な割引プランの案内を送ったり、個別の相談窓口を設けるなど、お客さまに合わせた対応をすることで、解約を防ぐ効果が期待できます。