順序尺度:大小関係を測る物差し

順序尺度:大小関係を測る物差し

デジタル化を知りたい

先生、順序変数ってなんですか?サービスの満足度調査でよく見るんですけど、あまりよく理解できていなくて…

デジタル化研究家

順序変数とは、大小関係はあるけれど、その差に意味がない値のことだよ。例えば、満足度調査で「不満・どちらでもない・満足」の3段階があったとしよう。満足の方が不満よりも評価が高いのはわかるけど、満足とどちらでもないの間の差と、どちらでもない不満の間の差が同じかはわからないよね?そういうのを順序変数というんだ。

デジタル化を知りたい

なるほど。じゃあ、1位、2位、3位のように順位をつけた場合も順序変数になりますか?

デジタル化研究家

良い質問だね。順位の場合も大小関係はわかるけど、1位と2位の差、2位と3位の差が同じとは限らないよね。だからこれも順序変数の一種と言えるよ。ただ、値の差に意味がないことをしっかり理解しておいてね。

順序変数とは。

コンピューター技術を使った変化(デジタルトランスフォーメーション、略してDX)でよく聞く言葉に「順序変数」というものがあります。これは、ものの名前や種類を表すだけでなく、順番や大小を表すこともできるものです。たとえば、お店のサービスの満足度を「不満」「どちらとも言えない」「満足」の3段階で評価するとします。この3段階には順番がありますが、「不満」と「どちらとも言えない」の差と、「どちらとも言えない」と「満足」の差が同じだけ大きい、とは言えません。順番に意味はあるけれど、差には意味がないのです。そのため、真ん中の値は分かりますが、平均値は計算できません。

順序尺度とは

順序尺度とは

順序尺度とは、調査対象を順番に並べることができる尺度のことです。言い換えれば、大小関係や優劣関係を把握できる尺度とも言えます。たとえば、商品の満足度調査で「とても不満」「不満」「どちらでもない」「満足」「とても満足」のように五段階で評価を求める場合、この五段階評価は順序尺度にあたります。それぞれの段階には順序関係があり、「とても満足」は「満足」よりも満足度が高く、「不満」は「とても不満」よりも満足度が高いことを示しています。

順序尺度は、単に名前を付けるだけの名義尺度とは異なり、順序に意味があるという点が大きな特徴です。名義尺度は、例えば性別や血液型のように分類するための尺度で、グループ分けはできますが、グループ間に優劣や大小関係はありません。一方、順序尺度は、大小関係を把握できるため、順位付けに利用できます。例えば、マラソンで順位を付ける場合や、顧客満足度調査で満足度の高さを比較する場合などに活用できます。

ただし、順序尺度は、各段階の間隔が等しいとは限りません。先ほどの満足度調査の例で言えば、「とても満足」と「満足」の差と、「満足」と「どちらでもない」の差が同じとは限りません。この点が、間隔尺度や比率尺度とは異なる重要な点です。間隔尺度は、温度のように目盛りが等間隔になっている尺度で、比率尺度は、身長や体重のようにゼロ点があり、比率計算が可能な尺度です。順序尺度では、各段階間の差を数値的に比較することはできません。あくまで、順位を表す尺度として理解する必要があります。

尺度 説明 特徴
名義尺度 単に名前を付けるだけの尺度。グループ分けはできるが、グループ間に優劣や大小関係はない。 順序に意味がない 性別、血液型
順序尺度 調査対象を順番に並べることができる尺度。大小関係や優劣関係を把握できる。 順序に意味がある、段階間の差は等しいとは限らない 顧客満足度、マラソンの順位
間隔尺度 目盛りが等間隔になっている尺度 段階間の差が等しい 温度
比率尺度 ゼロ点があり、比率計算が可能な尺度 ゼロ点がある、比率計算が可能 身長、体重

順序尺度の例

順序尺度の例

順序尺度は、私たちの暮らしや仕事の様々な場面で活用されています。順序尺度とは、項目間の順位や序列に意味がある尺度のことを指します。大小関係は把握できますが、その差が等しいかどうかは分かりません。いくつかの例を見ていきましょう。

例えば、インターネット通販などでよく見かける商品の評価を星の数で表す場合を考えてみましょう。星1つから星5つまでの評価は順序尺度です。星5つの商品が星4つの商品よりも評価が高いことは分かりますが、星5つと星4つの差と、星4つと星3つの差が等しいかどうかは分かりません。星の数が多いほど評価が高いという相対的な大小関係のみが分かります。

また、アンケート調査で意見を聞く際によく使われる、「全く賛成しない」「賛成しない」「どちらでもない」「賛成する」「強く賛成する」といった選択肢も順序尺度です。これらの選択肢は、賛成の度合いが高い順に並んでいますが、それぞれの選択肢の間隔が等しいとは限りません。「賛成する」と「強く賛成する」の差と、「賛成しない」と「どちらでもない」の差が同じとは言えないのです。

他にも、学歴(小学校、中学校、高校、大学)や、競技の順位(1位、2位、3位)、顧客満足度、従業員の職位なども順序尺度として扱うことができます。学歴の場合、大学は高校よりも高い学歴ですが、大学と高校の差、高校と中学校の差が等しいとは言えません。競技の順位も、1位と2位の差と、2位と3位の差は必ずしも同じではありません。

このように、順序尺度は物事の大小関係、すなわち順位や序列を把握する際に役立ちますが、その差や間隔については示していない尺度と言えます。

尺度名 説明 具体例 特徴
順序尺度 項目間の順位や序列に意味がある尺度
  • 商品の評価(星1つ~星5つ)
  • アンケートの選択肢(全く賛成しない~強く賛成する)
  • 学歴(小中高大)
  • 競技の順位(1位、2位、3位)
  • 顧客満足度
  • 従業員の職位
  • 大小関係は把握できる
  • 差が等しいかどうかは不明

順序尺度でできる分析

順序尺度でできる分析

順序尺度というものは、大小関係は分かるけれども、その差がどれくらいかは分からないデータに使われます。例えば、満足度調査で「とても満足」「満足」「普通」「不満」「とても不満」のように回答を集めた場合、これらの回答には順序があります。しかし、「とても満足」と「満足」の差が、「満足」と「普通」の差と同じかどうかは分かりません。

このような順序尺度で集めたデータに対して、どんな分析ができるのでしょうか。まず、データの中心的な傾向を掴むために、中央値や最頻値を求めることができます。中央値は、データを順番に並べたとき、ちょうど真ん中に来る値です。最頻値は、最も多く出現した値です。例えば、顧客満足度調査で「満足」という回答が最も多かった場合、「満足」が最頻値となります。これらの値を見ることで、大まかな傾向や、代表的な回答を知るのに役立ちます。

顧客満足度調査で中央値が「満足」だったとしましょう。これは、顧客の半数が「満足」以上に満足していることを示しています。また、最頻値が「とても満足」であれば、最も多くの顧客が「とても満足」と感じていることが分かります。このように、中央値と最頻値を組み合わせることで、データの全体像をより深く理解することができます。

一方で、順序尺度データでは平均値を求めることは適切ではありません。平均値を計算するには、各値の間隔が等しいことが前提となります。しかし、順序尺度データでは、前述の通り、間隔が等しいとは限りません。「とても満足」を5点、「満足」を4点と数値を割り当てたとしても、5点と4点の差が、4点と3点(「普通」)の差と同じとは限らないのです。そのため、平均値を計算しても、意味のある数値は得られません。例えば、5点の人が1人、4点の人が9人いても平均は4.1点となり、実態と乖離してしまいます。このように、順序尺度データの分析には、中央値や最頻値を用いることが適切です。これらの値は、データの順序関係に着目しており、間隔に左右されないため、より正確にデータの傾向を反映できます。

尺度 特徴 適切な分析方法 不適切な分析方法 具体例
順序尺度 大小関係は分かるが、差は不明 中央値、最頻値 平均値 満足度調査:とても満足、満足、普通、不満、とても不満

順序尺度の注意点

順序尺度の注意点

順序尺度を使う時の注意点は、それぞれの段階の間隔が同じとは限らないという点です。このため、順序尺度で集めたデータを、間隔尺度や比率尺度と同じように扱うことはできません。

例えば、お客様の満足度調査で「とても満足」を5点、「満足」を4点、「やや満足」を3点、「どちらでもない」を2点、「不満」を1点として数値で表したとします。この場合、5点と4点の差が、4点と3点の差と同じとは限りません。「とても満足」と「満足」の感じ方の差と、「満足」と「やや満足」の感じ方の差は、人によって大きく異なる可能性があります。そのため、これらの数値をそのまま足したり引いたり、平均値を求めるといった計算は意味を持たないのです。

たとえば、5人が回答し、それぞれ5点、4点、3点、2点、1点だったとします。単純に平均を求めると3点になりますが、これは「やや満足」です。しかし、各段階の間隔が不明なため、この平均値は実態を正確に表しているとは言えません。ひょっとしたら、「とても満足」と「満足」の差が非常に大きく、「満足」から「不満」まではあまり差がないと感じる人が多いかもしれません。そのような場合、3点という平均値は実態よりも低い満足度を表している可能性があります。

順序尺度は、あくまでも順位を表すための尺度です。1位、2位、3位のように、大小関係だけを比較することに意味があるのです。平均値を計算したり、数値の差を比較したりするには、間隔尺度や比率尺度といった、段階間の差が等しい尺度を使う必要があります。これらの尺度を使うことで、より正確な分析を行うことができます。

尺度 特徴 注意点 適切な分析
順序尺度 順位を表す。段階間の差は一定ではない。 数値の加減や平均値の計算は意味を持たない。 顧客満足度:とても満足(5), 満足(4), やや満足(3), どちらでもない(2), 不満(1) 大小関係の比較
間隔尺度 段階間の差は一定。 摂氏温度 数値の加減、平均値の計算
比率尺度 段階間の差は一定。絶対零点を持つ。 身長、体重 数値の加減、平均値の計算、乗除算

まとめ

まとめ

物事の順番や大小関係を捉える尺度として、順序尺度というものがあります。順序尺度は、アンケート調査や顧客満足度調査など、様々な場面で活用されています。例えば、商品の満足度を「非常に満足」「満足」「普通」「不満」「非常に不満」の五段階で尋ねる場合、この五段階は順序を表すものなので、順序尺度を用いた調査と言えます。

順序尺度は、データの全体的な流れを掴むのに役立ちます。例えば、中央値(データの中央に位置する値)や最頻値(最も出現頻度の高い値)といった統計量を用いることで、回答全体の傾向を把握することが可能です。「非常に満足」と回答した人が最も多いといった結果から、商品に対する顧客の反応を大まかに理解することができます。

しかし、順序尺度には注意点もあります。各段階の間隔が必ずしも同じとは限らないという点です。例えば、前述の満足度調査で、「非常に満足」と「満足」の差と、「不満」と「非常に不満」の差が同じとは限りません。そのため、順序尺度では平均値を計算することは適切ではありません。「非常に満足」を5点、「非常に不満」を1点として平均点を出すことは、一見意味があるように思えますが、各段階の間隔が等間隔でない以上、計算された平均値は実態を正しく反映しているとは言えないからです。

さらに、順序尺度で得られたデータを、間隔尺度や比率尺度のデータと同様に扱うことはできません。間隔尺度は、温度のように目盛の間隔が等しい尺度であり、比率尺度は、身長や体重のようにゼロ点を持ち、比率計算が可能な尺度です。これらの尺度とは異なり、順序尺度はあくまでも順番や大小関係を表すものです。データの種類に応じた適切な分析手法を用いることが重要であり、順序尺度の特性を理解し適切に扱うことで、より正確な分析が可能になります。

項目 内容
定義 物事の順番や大小関係を捉える尺度
使用例 アンケート調査、顧客満足度調査(例:商品の満足度を5段階で評価)
利点 データの全体的な流れを掴むのに役立つ。中央値や最頻値を用いて傾向を把握可能。
注意点 各段階の間隔が必ずしも同じとは限らないため、平均値の計算は不適切。間隔尺度や比率尺度と同様に扱えない。
その他 順序尺度はあくまでも順番や大小関係を表す尺度であり、データの種類に応じた適切な分析手法を用いることが重要。