情報資源管理:安全なモバイル活用

情報資源管理:安全なモバイル活用

デジタル化を知りたい

先生、MCMってMDMと何が違うんですか?どちらも携帯電話の管理をするものですよね?

デジタル化研究家

いい質問だね。どちらも携帯電話に関わる管理だけど、管理する対象が違うんだ。MDMは携帯電話そのもの、つまり機器全体を管理するのに対して、MCMは携帯電話の中にある情報、例えば会社のファイルやデータだけを管理するんだよ。

デジタル化を知りたい

なるほど。じゃあ、会社の携帯電話ではなく、個人の携帯電話を使うときに、会社の情報だけを管理するためにMCMを使うってことですか?

デジタル化研究家

その通り!個人の携帯電話に会社の情報を入れると、情報漏えいのリスクが高まるよね。MCMを使うことで、個人の携帯電話にある会社の情報だけを管理して、情報漏えいを防ぐことができるんだ。

MCMとは。

携帯電話やタブレットといった、個人が所有する持ち運びできる情報機器を仕事で使う際に、会社の情報が漏れないようにするための方法や道具について説明します。この方法は『モバイルコンテンツ管理』と呼ばれ、略して『MCM』と言います。社員が自分の機器で仕事をすることを『持ち出し機器利用』と言いますが、このときに情報漏えいを防ぐために、会社の情報にアクセスできる範囲を制限します。個人所有の機器そのものを管理するのではなく、アクセスできる情報の内容だけを管理するのが『MCM』の特徴です。ちなみに、機器自体を管理する場合は『モバイル機器管理』と言い、使うことができるアプリを管理する場合は『モバイルアプリ管理』と言います。

携帯端末管理の必要性

携帯端末管理の必要性

近ごろ、仕事で自分の携帯電話やタブレットを使う人が増えてきました。これを『持ち込み端末利用』と言いますが、確かに仕事の効率は上がりますが、一方で会社にとって大切な情報が外に漏れてしまう危険も大きくなります。そのため、会社としてこれらの携帯端末をきちんと管理することが、今まで以上に重要になってきています。

情報が漏れてしまうと、会社の評判が悪くなり、お客様の信頼を失ってしまいます。それだけではありません。法律に違反してしまうこともありえます。また、他社に大事な情報が渡ってしまうと、せっかくの商機を失うことにも繋がりかねません。

では、具体的にどのような危険があるのでしょうか。例えば、従業員が自分の携帯電話を紛失したり、盗まれたりした場合、会社の情報が悪意のある第三者に渡ってしまうかもしれません。また、悪質なアプリをインストールしてしまうことで、情報が抜き取られる危険性もあります。さらに、無料の公衆無線LANを使うと、通信内容が盗み見られる可能性も高まります。

これらの危険から会社を守るためには、携帯端末の利用状況を把握し、適切な管理体制を構築することが必要です。例えば、パスワードの設定を義務付けたり、データの暗号化を徹底したり、安全なアプリのみをインストールできるように制限したりするなどの対策が考えられます。また、従業員に対して、情報セキュリティに関する教育を定期的に実施することも重要です。

携帯端末の管理は、もはや会社を守る上で欠かせないものとなっています。適切な管理体制を整備することで、情報漏えいのリスクを低減し、会社の信頼を守り、安全な事業運営を行うことができるのです。

持ち込み端末利用のメリット 持ち込み端末利用のデメリット 情報漏えいによるリスク 対策
仕事の効率向上 情報漏えいの危険性 会社の評判失墜、顧客の信頼喪失、法的責任、商機喪失 端末利用状況の把握、適切な管理体制の構築
パスワード設定の義務化、データ暗号化、安全なアプリの利用制限
従業員へのセキュリティ教育

情報資源管理とは

情報資源管理とは

情報資源管理とは、会社にとって価値のある情報資産を守り、有効に活用するための取り組みです。従業員が各自の携帯電話や持ち運びできる情報端末から会社の情報にアクセスする際、情報が外に漏れるのを防ぐための管理方法となります。

情報資源管理の中心となるのは、情報端末自体ではなく情報そのものを管理することです。具体的には、アクセスできる情報の種類や範囲を細かく設定します。例えば、部署や役職によってアクセスできる情報の種類を変える、あるいは特定のプロジェクトに関わる情報へのアクセスを許可するなどです。また、情報の持ち出しを制限することも重要な対策です。社外への持ち出しを完全に禁止したり、許可された場合でも暗号化などの安全対策を義務付けたりすることで、情報漏えいのリスクを減らします。

情報資源管理は、従業員の私的な領域と会社の情報を守る領域を明確に区別することで、両者のバランスをとることを目指しています。従業員は私物の携帯電話などを仕事に活用できる一方で、会社は重要な情報資産を適切に管理できます。

情報資源管理が注目を集めている背景には、働き方の変化があります。在宅勤務やモバイルワークなど、多様な働き方が広がる中で、会社にある情報端末だけでなく、従業員各自の情報端末からも会社の情報にアクセスする機会が増えています。このような状況下では、情報漏えいのリスクが高まるため、情報資源管理の重要性が増しています。

情報資源管理を導入することで、従業員は安心して各自の情報端末を仕事に使い、生産性を高めることができます。同時に、企業は情報漏えいのリスクを低減し、会社の信用を守ることができます。情報資源管理は、これからの時代の働き方を支える重要な仕組みと言えるでしょう。

情報資源管理の目的 会社の情報資産を守り、有効活用する
情報資源管理の中心 情報端末ではなく情報そのものを管理
具体的な管理方法 アクセス権限の設定(部署、役職、プロジェクト別)、情報の持ち出し制限(禁止、暗号化)
情報資源管理のバランス 従業員の私的領域と会社情報保護の両立
情報資源管理が注目される背景 在宅勤務、モバイルワークなど働き方の変化による情報漏えいリスクの増加
情報資源管理の導入効果 従業員の生産性向上、企業の情報漏えいリスク低減、会社信用の維持

端末管理と情報資源管理の違い

端末管理と情報資源管理の違い

会社で使う携帯や持ち運びできる機械の管理には、大きく分けて二つのやり方があります。一つは、機械そのものを管理するやり方です。これは『端末管理』と呼ばれ、携帯や持ち運びできる機械に特定の仕事用の道具を組み込んだり、使える機能を絞ったりすることで、安全性を高める方法です。例えば、仕事で使う道具以外は入れられないようにしたり、特定の場所では通信ができないように設定することで、情報の流出を防ぎます。このやり方は、管理する側の手間は少ないですが、社員が自由に使える機能が制限されるため、使いにくさを感じるという声もあがります。

もう一つは、『情報資源管理』というやり方です。これは、データそのものに触れることができる人を制限する方法です。例えば、大事な書類を見ることができる人を、特定の部署の社員だけに限定したり、書類を開くための合い言葉を設定したりすることで、許可されていない人が情報にアクセスすることを防ぎます。このやり方は、社員が使う携帯や持ち運びできる機械の種類や設定に左右されずに、情報を守ることができるという利点があります。また、社員は自由に使える機能が多いので、仕事もしやすいという利点もあります。

端末管理は、情報が外に出るのを防ぐ力は強いですが、社員が使える機能が制限されるという欠点があります。一方で、情報資源管理は社員が使いやすい反面、管理する側の手間がかかるという欠点があります。どちらの方法が良いかは、会社の状況や守るべき情報の重要度によって判断する必要があります。例えば、非常に重要な秘密を扱う会社では、端末管理の方が適しているでしょう。一方で、社員の創造性を活かす必要がある会社では、情報資源管理の方が適しているかもしれません。それぞれの長所と短所を理解し、会社にとって最適な方法を選ぶことが大切です。

管理方式 概要 メリット デメリット 適したケース
端末管理 機械そのものを管理。特定の仕事用の道具を組み込んだり、使える機能を絞ったりする。 管理する側の手間が少ない
情報流出防止に強い
社員が自由に使える機能が制限され、使いにくい 非常に重要な秘密を扱う会社
情報資源管理 データそのものに触れることができる人を制限する。 社員が使う端末の種類や設定に左右されずに情報を守れる
社員は自由に使える機能が多く、仕事がしやすい
管理する側の手間がかかる 社員の創造性を活かす必要がある会社

応用管理との関係

応用管理との関係

情報を取り扱う仕事では、『情報資源管理』と『応用管理』という二つの大切な考え方があります。これらは、会社の宝である情報を守るための重要な仕組みです。

情報資源管理とは、社内にある様々な情報を整理し、適切に扱うための方法です。顧客の情報や会社の機密文書、設計図など、価値のある情報を守り、必要な時にすぐに見つけられるように整えることが目的です。誰がどの情報にアクセスできるのかを細かく設定することで、情報の流出を防ぎます。例えば、給与情報には人事部だけがアクセスできるようにしたり、新製品の設計図には開発部の特定の担当者だけが見れるようにする、といった具合です。

応用管理は、社員が仕事で使う道具、つまり様々な仕事用の応用ソフトを管理する方法です。パソコンや携帯電話で使える様々な道具には、それぞれに情報が入っています。これらの道具を正しく管理することで、情報資源管理の効果を高めることができます。許可された道具以外は使えなくしたり、道具の中にある情報へのアクセスを制限したりすることで、情報の流出を防ぎます。例えば、インターネット閲覧ソフトで特定の場所にアクセスできないように制限をかけたり、ファイル交換ソフトの使用を禁止する、といった具合です。

情報資源管理と応用管理は、別々に考えるのではなく、組み合わせて使うことでより効果を発揮します。情報資源管理でアクセスできる情報の種類を制限し、応用管理で使える道具を制限することで、幾重にも壁を作るように、より強固な情報保護を実現できます。例えば、顧客情報にアクセスできる人を制限した上で、さらに顧客情報をパソコンから持ち出せないように設定する、といった具合です。このように、二つの管理方法を組み合わせることで、会社の大切な情報をしっかりと守ることが可能になります。

管理方法 対象 目的
情報資源管理 社内情報 (顧客情報、機密文書、設計図など) 情報の整理、保護、アクセス制御による情報流出防止 給与情報へのアクセスを人事部に制限、新製品設計図へのアクセスを開発部の特定担当者に制限
応用管理 仕事用ツール (パソコン、携帯電話、応用ソフト) ツールとツール内の情報へのアクセス制御による情報流出防止、情報資源管理の効果向上 特定サイトへのアクセス制限、ファイル交換ソフトの使用禁止

情報資源管理と応用管理は、別々に考えるのではなく、組み合わせて使うことでより効果を発揮します。例えば、顧客情報にアクセスできる人を制限した上で、さらに顧客情報をパソコンから持ち出せないように設定する、といった具合です。

情報資源管理の利点

情報資源管理の利点

情報資源を適切に管理することは、会社にとって様々な良い点をもたらします。まず、顧客情報や社外秘資料といった大切な情報を守る上で、情報資源管理は欠かせません。しっかりとした管理体制を築くことで、情報漏えいの危険性を大幅に下げることができます。これは、会社の信用を守る上で非常に大切です。

また、情報資源管理は働く人にとっても、仕事のやりやすさを高める効果があります。例えば、会社で認められた情報機器であれば、個人の携帯電話や持ち運びできる計算機なども安心して仕事に使うことができます。場所を選ばずに仕事ができるため、仕事の効率も上がると期待できます。今まで持ち運びできる計算機を会社と個人の両方で用意していた人などは、一台で済むようになり、荷物が減るという利点もあります。

さらに、情報資源管理は、管理する側の手間を減らし、費用を抑えることにもつながります。従来の機器管理のように、個々の機器の状態を一つ一つ確認する必要がないため、管理にかかる手間を大幅に省くことができます。その結果、管理にかかる人件費や時間も減り、会社全体の費用削減につながります。

情報資源管理は、安全性を高めるだけでなく、使いやすさや費用の面でもメリットがあるため、今の時代の仕事のやり方にとても合っています。特に、最近増えてきている遠隔勤務や自宅勤務においては、情報資源管理の大切さがより一層増しています。情報はどこからでもアクセスできる反面、漏えいの危険性も高まるため、適切な管理は会社を守る上で必要不可欠と言えるでしょう。

項目 説明
セキュリティ向上 顧客情報や社外秘資料などの情報漏えいリスクを軽減し、会社の信用を守る。
業務効率化 会社で許可された情報機器を安心して使用でき、場所を選ばずに仕事ができるようになるため、仕事の効率が向上する。
コスト削減 機器管理の手間を省き、人件費や時間を削減することで、会社全体の費用削減につながる。
現代の働き方に最適 遠隔勤務や自宅勤務が増える中で、情報へのアクセスとセキュリティ確保の両立を可能にする。

導入時の注意点

導入時の注意点

情報を取り扱う方法を変えることは、会社にとって大きな変化です。うまく進めるためには、いくつかの大切な点に注意しなければなりません。まず、会社の規模や仕事の種類、扱う情報の性質といった自社の実情を把握することが重要です。小さな会社と大きな会社では、適したやり方が違います。同じように、扱う情報の種類によっても、ふさわしい管理方法は変わってきます。自社に合ったやり方を選ばなければ、せっかくの情報管理の仕組みも役に立ちません。

次に、社員への教え導きも欠かせません。新しい仕組みやルールを理解してもらわなければ、うまく運用できません。使い方だけでなく、なぜそのルールが必要なのか、ルールを守らないとどんな問題が起こるのかといった点まで、丁寧に説明する必要があります。社員一人一人が情報管理の大切さを理解し、責任感を持って取り組むことで、初めて効果的な運用が可能になります。

さらに、一度作った仕組みをそのままにしておくのではなく、定期的に見直すことも重要です。情報の安全を守るための脅威は、常に変化しています。そのため、最新の状況に合わせて、情報管理の方法も更新していく必要があります。例えば、新しい技術が登場した場合、それに対応した対策を講じなければ、情報漏えいのリスクが高まります。また、法律や規則の変更にも注意を払う必要があります。常に変化を意識し、改善を続けることで、情報管理の仕組みはより強固なものになります。

適切な導入と運用によって、情報管理は会社にとって大きな力となります。情報を守ることは、会社の信頼を守ること、ひいては会社の成長に繋がるのです。

ステップ 内容 詳細
現状把握 自社の実情を把握する 会社の規模、仕事の種類、扱う情報の性質などを分析し、最適な方法を選択する
社員教育 社員への教育を徹底する 新しい仕組みやルールの使い方だけでなく、その目的や重要性を理解させる
定期的な見直し 定期的に仕組みを見直す 脅威の変化や新技術、法改正などに対応するため、継続的に改善を行う